- 市長による避難住民の誘導
市長は,避難実施要領で定めるところにより,市の職員並びに消防長及び消防団長を指揮し,避難住民を誘導する。その際,避難実施要領の内容に沿って,自治会,町内会,学校,事業所等を単位として誘導を行う。ただし,緊急の場合には,この限りではない。
また,市長は,避難実施要領に沿って,避難経路の要所に職員を配置して,各種の連絡調整に当たらせるとともに,行政機関の車両や案内板を配置して,誘導の円滑化を図る。また,職員には,住民に対する避難誘導活動への理解や協力を得られるよう,毅然とした態度での活動を徹底させ,防災服,腕章,旗,特殊標章等を携行させる(特に,都市部等の人的関係が希薄な地域や昼間人口が多い地域では,重要である。)。
(法第62条第1,2,3,4,6項)
- 消防機関の活動
消防本部及び消防署は,消火活動及び救助・救急活動の状況を勘案しつつ,市長の定める避難実施要領に基づき,要所に消防車両等を配置し,車載の拡声器を活用する等,効果的な誘導を実施するとともに,自力歩行困難な災害時要援護者の人員輸送車両等による輸送を行う等,保有する装備を有効活用した避難住民の誘導を行う。
消防団は,消火活動及び救助・救急活動について,消防本部又は消防署と連携しつつ,自主防災組織,自治会等と連携した避難住民の誘導を行うとともに,災害時要援護者に関する情報の確認や要避難地域内残留者の確認等を担当する等地域とのつながりを活かした活動を行う。
- 避難誘導を行う関係機関との連携
市長は,避難実施要領の内容を踏まえ,市の職員及び消防機関のみでは,十分な対応が困難であると認めるときは,警察署長又は国民保護措置の実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の長に対して,警察官又は自衛官(以下,「警察官等」という。)による避難住民の誘導を要請する。
また,警察官等が避難住民の誘導を行う場合に警察署長等から協議を受けた際は,市長は,その時点における事態の状況や避難誘導の状況に照らして,交通規制等,関係機関による必要な措置が円滑に行われるよう所要の調整を行う。
これらの誘導における現場での調整を円滑に行い,事態の変化に迅速に対応できるよう,市長は,事態の規模・状況に応じて現地調整所を設け,関係機関との情報共有や活動調整を行う。
- 学校や事業所との連携
市は,学校や大規模な事業所における避難に関して,時間的な余裕がない場合においては,学校や事業所単位により集団で避難することを踏まえて,各学校や事業所における避難の在り方について,対応を確認する。
- 自主防災組織等に対する協力の要請
市長は,避難住民の誘導に当たっては,自主防災組織や自治会長等の地域においてリーダーとなる住民に対して,避難住民の誘導に必要な援助について,協力を要請する。
- 誘導時における食品の給与等の実施や情報の提供
市長は,避難住民の誘導に際しては,県と連携して,食品の給与,飲料水の供給,医療の提供,その他の便宜を図る。
市長は,避難住民の心理を勘案し,避難住民に対して,必要な情報を適時適切に提供する。その際,避難住民の不安の軽減のために,可能な限り,事態の状況等とともに,行政側の対応についての情報を提供する。
- 災害時要援護者への配慮
市長は,高齢者,障害者等の避難を万全に行うため,防災・福祉部局を中心とした横断的な「災害時要援護者支援班」を迅速に設置し,社会福祉協議会,民生委員,介護保険制度関係者,障害者団体等と協力して,災害時要援護者への連絡,輸送手段の確保を的確に行うものとする。
(ゲリラ・特殊部隊による攻撃等に際しては,被害が局地的,限定的なものにとどまることも多いことから,時間的余裕がなく,移動により攻撃に巻き込まれる可能性が高い場合は,屋内への避難を現実的な避難方法として検討せざるを得ない場合もあり得る。)
【災害時要援護者の避難支援プランについて】
武力攻撃やテロ発生時においても,避難誘導に当たっては,自然災害時と同様,高齢者,障害者等の災害時要援護者への配慮が重要であるが,平時において,自然災害時における取組として行われる災害時要援護者の避難支援プランを活用することが重要である(「災害時要援護者の避難支援ガイドライン」(平成17年3月)参照)。
避難支援プランは,災害時要援護者の避難を円滑に行えるよう,「要援護者支援に係る全体的な考え方」と「要援護者一人一人に対する個別計画」で構成される。
災害時要援護者一人一人の避難支援プランを実施するためには,災害時要援護者情報の把握・共有が不可欠であるが,その方法としては,(1)同意方式,(2)手あげ方式,(3)共有情報方式の3つの方法があり,これらにより取得した情報をもとに一定の条件や考え方に基づき,支援すべき災害時要援護者を特定し,福祉関係部局と防災関係部局が連携のもとで,災害時要援護者各個々人の避難支援プランを策定することとなる(家族構成や肢体不自由の状況,避難支援者や担当している介護保険事業者名などを記載)。
- 残留者等への対応
避難の指示にしたがわずに,要避難地域にとどまる者に対しては,事態の状況等に関する情報に基づき丁寧な説明を行い,残留者の説得に努めるとともに,避難に伴う混雑等により危険な事態が発生する場合には,必要な警告や指示を行う。
- 避難所等における安全の確保等
市は,県警察が行う被災地,避難所等における犯罪の予防のための活動に必要な協力を行うとともに,県警察と協力し,住民等からの相談に対応するなど,住民等の不安の軽減に努める。
- 通行禁止措置の周知
道路管理者たる市は,道路の通行禁止等の措置を行ったときは,県警察と協力して,直ちに,住民等に周知徹底を図るよう努める。
- 県に対する要請等
市長は,避難住民の誘導に際して食料,飲料水,医療等が不足する場合には,知事に対して,必要な支援の要請を行う。
(法第63条第1項)
その際,特に,県による医療班等の応急医療体制との連携に注意する。
また,避難住民の誘導に係る資源配分について他の市と競合するなど広域的な調整が必要な場合は,知事に対して,所要の調整を行うよう要請する。
市長は,知事から,避難住民の誘導に関して,是正の指示があったときは,その指示の内容を踏まえて,適切な措置を講ずる。
(法第66条第1項,第3項)
- 避難住民の運送の求め
市長は,避難住民の運送が必要な場合において,県との調整により,運送事業者である指定公共機関又は指定地方公共機関に対して,避難住民の運送を求める。
市長は,運送事業者である指定公共機関又は指定地方公共機関が正当な理由なく運送の求めに応じないと認めるときは,指定公共機関にあっては,県を通じて国の対策本部長に対し,指定地方公共機関にあっては,県対策本部長にその旨を通知する。
(法第71条第1項,第72条)
- 避難住民の復帰のための措置
市長は,避難の指示が解除された時は,避難住民の復帰に関する要領を作成し,避難住民を復帰させるため必要な措置を講じる。
(法第69条第1,2項)