もりおか寸評
たたずまいが変わらないまち
演出家・映画監督 大友啓史さん
盛岡出身のわたしにとって青春の味は,じゃじゃ麺。今住んでいる東京の家でも,自分でじゃじゃ麺の肉みそを作っているほど大好きです。ドラマのロケなどで奥州市や北上市に来たときには,撮影の合間を縫っては盛岡を訪れて,じゃじゃ麺を食べています。新幹線に乗って来るのですから,高いじゃじゃ麺代ですよね。
先日,久しぶりに盛岡の街を歩きましたが,たたずまいや雰囲気は昔と変わらないですね。路地の感じや空の広さ,ふるさと特有のにおいが,変わっていないという印象に安心しました。
大学卒業後,NHKに入局し,4年後に希望していたドラマ番組部へ異動。その後,2年間ハリウッドに留学し,映画制作について学びました。帰国してからは,ずっと映画やドラマの監督や演出をしています。
映画やドラマを作る面白さは,自分の頭でイメージしていたものが,現場で大勢の人とかかわることで,どんどん変わっていくこと。最終的には思ってもいなかった作品に仕上がっていくという過程自体が最大の魅力です。そして,作品を通じて見る人にいろんなメッセージを送ることができる。見た人たちから反響が返ってきたときが,一番うれしいです。
現在は,NHK大河ドラマ「龍馬伝」の演出を手掛けていますが,反響がとても大きくて驚いています。スタッフや役者とコミュニケーションを取りながら,「幕末」という時代をうまく表現したいという思いで頭がいっぱいです。
これからも,映画とドラマという両方の分野を大切にして,仕事を続けたいと思います。また,自分のルーツをたどるという意味で,東北地方を舞台にして,全編方言だけのせりふで通すなど,ローカル色あふれる作品も作ってみたいと考えています。
(2009年11月6〜8日に開催された「もりおか映画祭」シンポジウム出演と上映作品「ハゲタカ」の舞台あいさつのため来盛。1966年,盛岡市生まれ)
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