盛岡市地域おこし協力隊活動報告（令和6年12月・佐々木隊員）

皆さんこんにちは。薮川地域を担当しています佐々木です。早いもので地域おこし協力隊としての活動も3年目を迎え、あと4カ月弱を残すのみとなりました。今回は、令和6年3月にご報告しました活動の、その後の進捗をいくつかご紹介させていただきます。

まず、岩洞湖家族旅行村です。令和4年度に行ったWEBアンケートで寄せられた利用者の声や現場視察をもとに、改善案を岩手県の担当部署に報告し、提案を行ったところまでお話ししました。その甲斐もあり、令和6年度は高い優先度で改善に向けた取組を進めていただけることになりました。

ちびっこ広場の遊具は8月から9月にかけて保守・点検を実施済であり、来年度に必要な箇所の修繕を行う予定です。サニタリーハウスのシャワーカーテン交換、脱衣室への簀の子の設置なども順次改善を行い、既に実施済となっています。シャワーカーテンの交換は、たかがシャワーカーテンと思われるかもしれませんが、利用者にシャワールームを快適に使っていただきたいと願っていた旅行村の管理人さんにとっては、（大げさでなく）何年越しの悲願でした。利用者の要望に応えることが出来て嬉しい限りです。

木の遊歩道の破損箇所の修繕は、大がかりになることから、6月に続いて8月にも県のご担当者と安全面を最優先に修繕箇所の確認を行い、いよいよ令和7年度に修繕が行われることになりました。

国道455号線沿い、外山・薮川・早坂高原エリアのそば提供店舗の利用促進と観光客の周遊を目的に、8月から11月にかけて行った“そばスタンプラリー”については、期間中、台風による豪雨の影響で国道455号線が一時通行止めになり、お客様の来店が困難になるという不測の事態もありましたが、各店舗にご協力いただき、開催期間を延長して無事に終了することができました。中には、被災支援というお気持ちから、何度となく足を運んでくださるお客様もいらっしゃいました。

また、実施後各店舗を対象に行ったアンケートにおいて、集客効果や売上貢献の面で、皆さん「期待通りだった」「やや期待を上回った」と手応えを感じられており、次回開催する場合の課題や要望も積極的に挙げていただきました。

全店制覇用の景品「岩泉町産の7つの樹種を1枚にした特製コースター」80枚を特注し、ご提供いただいた株式会社グリーンパワーインベストメント 東北統括事務所様にも感謝の気持ちで一杯です。同社は、薮川に事務所を置く会社として、地元の方々に大変お世話になっているとのお気持ちから、地域に貢献でき、活性化に繋がるのであれば是非！ということで協賛を快諾いただきました。

当初、主催者がなかなか定まらず、開催が危ぶまれていた2年目のそばスタンプラリーでしたが、岩洞湖まつりの一環として引き継いでいただけることになったことと、各店舗を初め多くの賛同者のご協力によって、今後も継続性のある恒例イベントとして、地域経済の活性化に繋げる道筋を付けられたかな、と少し安堵しています。

また、前回触れていなかった活動として、外山節のPRがあります。これは、外山自治会様より、「最近、外山神社を訪れる方が増えてきて、せっかく来ていただいたのだから、外山節発祥の地で外山節を聞いていただけるように出来ないだろうか」と相談を持ちかけられたことがきっかけです。

自治会の方とも話し合い、ボタンを押すとスピーカから曲が流れるようにしてはどうか、という案もありましたが、スマホ全盛の今の時代ですから、外山神社前の「外山節発祥の地」の看板に、二次元コード化した音源をステッカーにして貼り、スマホで読み込むことで外山節を聞けるようにしたいという案を採用することとしました。

以前、地元の方が唄われた音源を元にした「正調外山節」と「外山節」の2バージョンを、御料牧場時代の当時の写真や、新たに撮影した放牧風景、蕎麦の収穫風景など、現在の外山の情景を織り交ぜながら、映像と共に楽しんいただけます。

岩手県を代表する民謡の一つ「外山節」の発祥の地で、唄とともに当時に想いを馳せ、訪れる方々に外山の歴史や暮らしに触れていただければ、と思っています。

これまで、薮川地域のポテンシャルを引き出すという視点から、特産物や伝統文化の魅力発信のほか、企業誘致の可能性や地域の交通事情の将来も見据えて、さまざまな企業や他自治体との意見交換等を行ってきました。地域の皆様に出来るだけ負担をかけずに、域外の人に地域の魅力を知ってもらう、興味を持った人と地域がつながる“仕掛け”を築くことを軸にして、今ある地域の魅力に新たなアイデアを積み重ねていくことが、地域の活力向上に繋がっていくということを実感しております。残りわずかとなりましたが、任期終了まで精一杯活動していきたいです。