盛岡市地域おこし協力隊活動報告(令和8年10月・藤田隊員)
広報ID1060227 更新日 令和8年10月20日 印刷
御覧頂きありがとうございます。盛岡市地域おこし協力隊の藤田広大です。
「盛岡市における森林サービス産業の展開」をテーマに、山林だけでなく農業など里山資源のすべてを活かした事業化に向けて取り組んでいます。
令和7年8月から活動を始め、1年が過ぎました。1年目に行ったアンケート調査やプレイベントの結果をもとに、2年目は森林インストラクターの取得、里山資源を組み合わせた事業化、退任後の生業形成に向けて知識を深める講習等に参加しています。
今回は、5月~10月までの活動を報告します。
- スマート林業関連機械講習・見学
大型ドローンによる苗木運搬のデモンストレーションや無人刈り払い機を見学しました。



- 区界少年自然の家ボランティア研修会
少年の家で行われる森林体験イベントのボランティアに必要な心得・知識を教わりました。



- 山菜採取(フキ・ワラビ・根曲竹)
盛岡市の森林で採取できる山菜です。今年も里山は熊が多く、注意しながら複数人で採取しました。



- 遠野市わさび田栽培見学 協力隊 小西聡史さん
- 民泊経営 施設見学 元協力隊 山路希代子さん
わさび田で有名な宮守地区で活動する小西さんに案内して頂きました。豊富で澄んだ地下水。この地だからできる栽培だと感じました。
森林サービス産業でも必須の宿泊コンテンツ。退任後に民泊施設を運営している山路さんの施設を見学させて頂きました。建物の歴史を感じさせながら、快適な宿泊環境を提供できるよう工夫してあり、学ぶことが多かったです。また泊まりたい!



- いわてアグリフロンティアスクール(IAFS)
国際競争に通用する先進的な農業経営者や地域のリーダーを養成するために設立された、岩手県内居住の社会人向けプログラムです。農村地域活動コースで参加しています。
結構ハードなカリキュラムですが、アグリ管理士の資格が取れるよう、しっかりと学んでいきたいと思います。


高齢により免許返納し、簗川を離れる方もいます。大量に積んだ薪を眺めながら「使わなかったな~、、、」と語る背中が印象的でした。所有する山まで車で乗せていきました。「久々に来た~」と嬉しそう。運転免許を返送し、週末の日中にご家族の車で戻って来るとのことです。公共交通手段が限られており、自家用車が無いと生活は難しいです。



- 外山森林公園 苔玉作りワークショップ 簗川に戻って苔栽培試行
高橋久祐さんのワークショップに参加。アドバイスをもとに苔採取し、試栽培してみています。



- メロン栽培、梅収獲、ブルーベリー収獲
梅とブルーベリーは大家さんの土地で採れたものです。無農薬でメロン栽培にも挑戦してみました。一番大きく育って食べごろになったところで食べられました、、、獣害対策必須です。小さいメロンを食べてみましたが、甘くて美味しい!山間部の寒暖差のお陰?



- たたら山登山道 鑪山自治会との意見交換会。現地視察
鑪山の山道整備、山頂の眺望改善についてお話を伺い、実際に登ってみました。
確かに、山頂の眺めは改善したいところです。里山の多くは、かつて薪(まき)や炭をとるために定期的に木が伐採され、今よりも見通しが良かった時代(明治〜昭和初期頃まで)があります。

- 協力隊交流会 吉田さんin簗川 渓流体験試行
簗川の酪農家さんの施設や牧野を見てから、森林サービス体験に活用できそうな渓流スポットを体験してもらいました。「今度は子供を連れて来ます!」と言って頂けたのが嬉しかったです。



- 簗川の酪農家さんと西和賀の左草ブラウンスイス牧場見学 藤田春恵さん
https://www.saso-brownswiss.com/
IAFSの講師として登壇した藤田さんの牧場を簗川の酪農家親子と一緒に見学させて頂きました。ブラウンスイス牛の放牧は全国的にも珍しい事例です。製造する牛肉の生ハム「ブラウンスイスブレザオラ」は、ドイツ食肉連盟(DFV)主催の「第3回 IFFA日本食肉加工品コンテスト2025」において、満点(50点)で金賞を受賞!



- 唐辛子防虫剤をメロンの葉に散布
日本における有機農業の戦略は、農林水産省が策定した「みどりの食料システム戦略」が中核となっています。スマート農業との融合や森林資源の活用により、盛岡の水源保護を行いながら山間地域ならではの環境保全型農業を行うことで、活動に共感する消費者に向けた地域ぐるみの取組を試行しています。(今は、唐辛子汁をスプレーしているだけです)


- 元協力隊 高橋さんの蕎麦の種まきワークショップ
去年は収穫前に鹿害を受けましたが、今年は若芽から食べられていきます。ネットをしたり音で追い払おうとしましたが、効果は見られませんでした。急激に増えているようです。ほぼ毎日、鹿の親子の群れに遭遇します。本県の野生鳥獣被害額は4億円を超え鹿被害は本州1位だそうです。


- 起業家塾@もりおか
盛岡市・滝沢市・紫波町・矢巾町の4市町が共催する、起業や創業、新規事業をめざす方向けのセミナー・講座に参加しました。
講師はOffice SUGOROKU合同会社代表の渡辺 和義さん https://office-sugoroku.jimdofree.com/
各テーマごとに、ご自身の挫折・失敗談満載で、そこから大逆転勝利を掴むドラマチックなセミナーが続きます。夜のセミナーですが、何故か疲れを忘れやる気が漲ったのを思い出します。


- 岩泉町 佐々研山葵農園 佐々木雄哉さん
https://sasaken.official.ec/
いわて地域資源活用価値創出人材育成研修で事例発表された佐々木さんの畑山葵農園を見学させて頂きました。食べる育てるサービス産業を展開するのに畑山葵はピッタリだと感じました。佐々木さんのビジネスマンとしての心構えも学ぶことができ、大変勉強になりました。



- 高舘剣舞 巻物調査
「高舘剣舞」という名称は、源頼朝に追われた源義経主従が最期を迎えた平泉の「高舘」(衣川館)に由来すると言い伝えられています。戦いによって命を落とした武士たちの無念の魂や、亡霊を慰め鎮める(御霊信仰・修験道)ために踊られ始めたとされており、だからこそ面をつけず、刀やなぎなたを振るって激しく地面を踏みしめる勇猛なスタイル(阿修羅踊り)が特徴となっています。
天保13年(1842年)、大ケ生の伝承者であった徳助という人物から、簗川の大倉助八という人物が習い受けたのが始まりとされています。この伝授の証として、大ケ生念仏剣舞の伝本である『剣舞阿須羅秘伝法則』の写本が簗川に授けられましたとされています。しかし、大ケ生地区の剣舞阿須羅秘伝法則は現在行方不明になっており、そのルーツを確かめるべく周辺地域と協力して秘法の巻物から紐解く取組が進められています。



- さんりく海山ファーム 竹内聖織さん
(公式インスタグラム@sanriku_umiyama_farm)
岩手県上閉伊郡大槌町を拠点に、わかめ漁業と山地養鶏(放牧卵の生産)を軸とした農林水産業を営む生産者の竹内聖織さんの養鶏場と所有山林の火災跡を見学させて頂きました。
理想の土地を求め、東京から移住して購入した山林の火災に向き合ったお話を現地でお聞きしました。その覚悟と、ご夫婦でトライ&エラーに取り組む姿から、多くの励ましをいただきました。


- 公益財団法人主催の林業就業支援講習inいわて(1日コース)
思っていたより参加者が多く、林業に関心が集まってきていると感じました。講習は3日コースもあります。林業就職相談も行われました。
また、岩手県内での林業就業を希望する人を対象に、いわて林業アカデミーがあります。現場の即戦力・中核となる現場技術者を養成する1年間の公的研修制度です。
残念ながら、自分は年齢制限で研修できません。福島県など年齢制限無しの都道府県もあります。年齢にかかわらず学び、働く機会が広がっていくとよいと感じます。


- 盛岡市集落周辺里山林整備事業
https://www.city.morioka.iwate.jp/shigoto/sangyo/ringyo/1051337.html
市域内に存在する集落周辺の里山林を市、町内会等及び森林所有者が協働して森林整備・保全管理を行うことにより、集落周辺における倒木被害防止や有害鳥獣被害防止、道路の安全通行等の地域の安全推進を図る事業です。
簗川自治会に制度を紹介し、森林アドバイザーを交え状況確認して頂きました。


簗川地域では、過疎化により今まで地域で取組んできた地域整備・保全が限界にきています。そこで、地域運営組織設立を自治会に提案しました。
これからも安心して暮らしていくため、「森林・農地を守ること」「地域にある資源を活かすこと」「暮らしを支えること」について、地域のみんなで考えていく必要があります。
そのため、地域住民だけでなく、簗川に関心を持ち、地域の活動や仕事、交流などを通じて継続的に関わってくれる人を増やしていくことが重要です。そこで、地域外の住民・企業との連携構築を視野に入れた(仮称)簗川地域協議会の設立に向け、地域の皆さんが現在感じていることを把握するためアンケートを実施しました。
農政課にも協力して頂き、アンケート結果を分析。自治会に提出しました。


岩山「啄木茶屋」活用については、現管理者の盛岡観光開発公社 取締役会にて「建物老朽化調査を行い、今後の方針を精査する」との連絡がありました。岩山は、市街地から近く森林エリアの入口として活用を期待しているので、引き続き関わって行ければと思います。
森林サービス産業を事業として成り立たせるためには、林業だけでなく、農業、食、宿泊、体験など里山の資源を全て組み合わせる必要があります。そのため、暮らしている簗川エリアを軸に、次の取り組みを計画しています。
「放置林」を観光・教育・スポーツが行える場に整備
「耕作放棄地」で飲食提供、農業体験や食育コンテンツ開発
「空き家問題対策」借りている古民家を農泊施設に改修
森林・農地・古民家を一体で活かし、情報・開発商品をPR・販売することで、関係人口の増加、地域振興、雇用創出につなげていきたいと思います。
やっと樹木の伐採適期である秋冬になりました。
生業化に向けては、森林だけでなく農地や空き家を含めた里山全体を再生することが不可欠です。今後も取り組みを進めていきたいと思います。
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