2月28日受付　高齢者の運転免許返納後の交通手段について

ご提案・ご意見の趣旨

私にはあと数年で90歳になる祖父がいます。高齢なので、車の運転がかなり危ない状況なのですが、本人が言うには、「病院やスーパーまで遠いから車で行かざるを得ない。タクシー代は高すぎるし、最寄りの駅まで歩けるほどの体力はない。」との事でした。他に車を出してくれる人がいればいいのですが、私の伯父たちはそもそも県外に住んでいたり、仕事で忙しく夜遅くでないと帰って来なかったりです。私の母がどうにか休みを取って、ほぼ毎週祖父を病院やスーパーに送り迎えしています。私も免許をとる予定ですが、取得にもある程度時間は要するものですし、似たような問題を抱えていらっしゃる家庭は少なからずあると感じています。
そこで、「おきタク」に似たようなものを出来ないだろうか、という提案をします。「おきタク」とは山形県南陽市沖郷地区の住民専用タクシーで、料金は距離に関わらず一律500円。60歳以上の住民が対象で、行先は病院やスーパーなど54カ所に限る。というもので、メーター料金との差額分は、市の補助でまかなっているそうです。超高齢化社会の今、高齢者に優しい仕組みは必要不可欠です。高齢者に優しいことは市としての大きな魅力になります。

市の考え方

1. 高齢者の移動への支援
   高齢者の移動への支援として、路線バスとIGRいわて銀河鉄道の運賃を盛岡市にお住まいの70歳以上の方を対象に優待する「まちなか・おでかけパス事業」を実施しています。この事業は、路線バス事業者が販売する最大6カ月利用できる「まちなか・おでかけパス」を1000円（玉山地域など遠方の方は2000円）で購入いただき、自宅最寄りのバス停から中心市街地（盛岡駅や盛岡バスセンターを含む地域）の行き来に1乗車100円で路線バスを利用できるものです。さらに、玉山地域にお住まいの方は「玉山地域列車でおでかけきっぷ」があり、好摩駅または渋民駅と盛岡駅の運賃をIGRいわて銀河鉄道が割り引いて販売しております。
   市としては、「まちなか・おでかけパス事業」が中心市街地の活性化、70歳以上の高齢者の生活支援、公共交通の利用促進を目的としていることから、各交通事業者に対して補助金を交付し、事業実施を支援しています。今後もこの事業を持続できるよう関係者と協議しながら、必要に応じて見直しなども行い、事業を継続してまいります。
2. タクシー事業者のサービス
   タクシー事業者において、運転免許を返納した方が「運転経歴証明書」を提示すると、運賃料金が1割引きになるサービスを実施していると伺っています。タクシーご利用の際に各タクシー事業者にご確認いただくようお願いします。
3. 「おきタク」のご提案について
   ご提案の山形県南陽市沖郷地区の住民専用タクシー「おきタク」は、交通空白地帯の地域住民自らが立ち上がり検討協議を重ねて導入した事例であり、その過程に地域、交通事業者、行政などの多様な主体が関わり、共通認識を共に積み重ねて運行の土台を構築したことで、高い評価がされていると伺っています。
   市としては、令和元年に策定した盛岡市地域公共交通網形成計画において、交通空白地区を解消する移動手段の確保・導入、地域が運営する交通に対する支援を取り組み事業に掲げていることから、地域内の移動手段を検討する地域での会議参加や専門家の派遣、交通事業者との調整などの支援を行ってまいります。

• 建設部　交通政策課