村上昭夫(むらかみあきお)
広報ID1025058 更新日 平成30年12月10日 印刷
村上昭夫(1927年~1968年)
詩人・H氏賞受賞者
村上昭夫は1927年(昭和2年)1月5日、東磐井郡大原町(現:一関市)清水田にて村上三好、たまかの長男として生まれた。 1939年(昭和14年)4月、私立岩手中学校(現:岩手高校)に入学、昭和20年の卒業後に満州国ハルピン省へ渡り、ここで終戦を迎えた。過酷な抑留生活の後、翌年に帰国し盛岡郵便局に勤務した。しかし結核を発病し、岩手サナトリウムで治療にあたった。昭夫はここで蝸牛と号して俳句を始めており、後に詩作に転じている。この結核との闘病生活は最期まで続いた。
1954年(昭和29年)、岩手県詩人クラブが結成され、その会員となり積極的に活動に参加した。また岩手日報学芸欄の「日報詩壇」へ投稿を続け、1959年(昭和34年)に誕生した詩誌「La」の会には入会後、連作“動物哀歌”を発表している。
1967年(昭和42年)、処女詩集『動物哀歌』が、「La」の会の同人たちの尽力により出版される。昭夫はこの詩集によって、同年の土井晩翆(どいばんすい)賞を、翌年には優れた詩集に贈られるH氏賞を受賞した。
抑留生活や闘病生活により、逃れることのできない死の恐怖と対峙し、死を凝視する。その思いを昭夫はこう語っている。
“「死」という未知なものが、さまざまな動物や植物、それに、実にたくさんの人間の形態となって姿を見せました。それらのものを懸命になってノートや原稿に、書きしるしました。それが『動物哀歌』となって、世に出ました。”
掲載日:平成17年4月5日
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