田植踊
広報ID1022413 更新日 令和3年12月13日 印刷
盛岡の田植踊り
田植踊りは米の豊作を祈る芸能です。岩手県では小正月の頃に踊られてきました。年の始めに米を収穫するまでの作業を踊りで表すことで、豊作の実現を祈る予祝芸能の一つです。
県内の田植踊りは、家々を廻って土間や庭で踊る「庭田植え」と、室内で踊る「座敷田植え」とに分けられます。盛岡市に伝えられているのは「座敷田植え」系で、国指定である紫波町の山屋田植踊りと同じ系列です。
ヒョットコの面を付けた一八(いっぱち)と胴前(太鼓を打つ人)が、おもしろおかしい掛け合いをしながら、米作りの作業を次々に展開してみせます。ここでは胴前は旦那さま(地主)、一八は現場主任です。旦那さまから言われた農作業を、一八はみずから行ったり早乙女(さおとめ)たちに指図してやらせたりします。合間に中踊りをはさみ、囃子舞、狂言や万歳なども取り込んだ複合的な芸能です。
かつては1月15日の小正月前後に、大きな家の座敷を舞台として一日がかりで演じられましたが、現在ではまとまった公演はあまり行われなくなっています。たくさんの人数が必要なので伝承する上で負担の大きい芸能です。
田植踊り豆知識【踊りの流れ】
団体によって多少の違いがありますが、おおよそ共通する踊りを順番に追ってみましょう。
- 口上
- 裃をつけた口上切りが中央に正座し、幕開けの口上をのべます。
- 三番叟(さんばそう)
- 天下泰平、五穀豊穣の祝いの舞です。烏帽子をかぶり、鼻にお祝いの白粉を引き、直垂(ひたたれ)と袴を付けて踊ります。
- 苗代ならし(苗代こすり)
- ひょうきんな面の一八が登場し、旦那様役の胴前とこっけいなやりとりをしながら田植えまでの作業を展開します。
- 種まき
- 一八と女房のお産騒ぎを演じるものです。翁が種の入った籠を背負って踊る団体もありますが、これは七軒丁の「春田打ち」をまねたものと言われています。
- 中(仲)踊り
- 黒襟で丈の短いハッピをはおり、鉢巻きをした4人の踊り手が出ます。アヤを持つ「綾踊り」や、「鳴り輪」を持って踊るものがあります。
- 苗取り
- 一八が再び登場し、田植えの用意をします。
- 早乙女(田植え・稲刈り・稲こき)
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花笠をかぶった早乙女たちが、「田植え」ではアヤ、「稲刈り」は鎌、「稲こき」ではササラを持って笠を振りながら踊ります。目の回る激しい踊りで、ほとんどの場合青年が踊り手を務めます。赤い布や短冊をたらした美しい花笠で顔をかくし、笠を振りながら踊る早乙女(五月女、シヨウトメ、とも言う)は、誰の目にも印象に残ります。中踊りがいっしょに出て踊る団体もあります。
- 囃子舞
- 頭巾と陣羽織を着て、おめでたい唄に合わせて踊ります。「大黒舞」「竹の子舞」「さいとり舞」などがあります。
- 引き庭(礼踊り)
- 中踊りの4人、またはそれに早乙女が加わって手ぬぐいを振りながら退場します。
- 万歳
- 旦那様である太夫と鼓を持った才蔵のおどけた会話で笑わせる芸能です。
- 狂言
- 囃子舞、万歳とともに、盛岡藩の芸能集団だった七軒丁から習ったとされています。「萩の村」「門松納め」「茶摘み」などの演目が伝わっていますが、時間がかかるので上演の機会が少なくなっています。
田植踊の指定文化財保持団体
盛岡市指定無形民俗文化財(全5団体)
出典:盛岡の民俗芸能「田植踊り」(作成:盛岡市無形民俗文化財保存連絡協議会)
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