歴史と自然が育んだ「盛岡りんご」

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広報ID1028166  更新日 令和7年3月13日 印刷 

盛岡市を代表する農産物の一つである「盛岡りんご」について紹介します。

樹

盛岡りんごの歴史

 盛岡は、本州で初めて本格的なりんご栽培を始めた「りんごの先進地」です。西洋りんごの栽培を思い立った南部藩士の子である古澤林(ふるさわ はやし)が、1725年(明治5年)にりんごの苗木6種、16本を横浜で買い求め、現在の盛岡市立中野小学校校庭となっている場所に植えたことが、「盛岡りんご」の始まりと言われています。
 盛岡市下厨川にある東北農業研究センター(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構果樹茶業研究部門リンゴ研究拠点)の敷地内には、世界で最も多く生産されている品種「ふじ」の原木が現在も残されています。

盛岡りんごの特長

りんごの花の画像

 りんごは冷涼な気候に適した果物であり、青森県、長野県、岩手県が三大産地となっています。本州で最も寒い県庁所在地である盛岡市は、りんご生産に適した気候であり、県内市町村でのりんご生産量は第1位を誇ります。

 盛岡のりんご栽培で一般的な、樹の高さを抑える「わい化栽培」。「わい化栽培」には、生産者による管理が行き届きやすくなるだけではなく、風通しが良くなり、りんご一つ一つに太陽の光が届くなどのメリットがあり、その普及率は、岩手県が最も高いです。

 盛岡のりんごは、収穫時期を遅らせて、樹に実らせたまま完熟させる「樹上完熟」が多く、長期保存は難しくなりますが、その分、蜜が入りやすく、ジューシーなりんごに育ちます。

 りんご栽培に適した盛岡の気候と、生産者が一つ一つ丁寧に育てた高品質の「盛岡りんご」は、確かな品質を伝える盛岡生まれの地場産品として「盛岡ブランド品」の認定も受けています。歴史と自然が育んだ「盛岡りんご」をぜひ味わってみてください。

盛岡のりんごの受賞歴

日本農業賞大賞(集団組織の部)を受賞

 「盛岡りんご」も含まれるJAいわて中央りんご部会のりんごは、全国で唯一「りんごの特別栽培」(農薬・化学肥料を半分以下に低減)の取り組みが高く評価され、平成24年度の第41回日本農業賞において大賞を受賞しています。

「いわて純情りんごコンテスト」(総合の部・最優秀賞)を受賞

 「盛岡りんご」も含まれるJAいわて中央りんご部会のりんごは、「いわて純情りんごコンテスト」(全農いわて主催)において、平成22年から9年連続で総合の部・最優秀賞を受賞。令和4年にも総合の部・最優秀賞を受賞しました。

盛岡りんご推進協議会

ロゴ

 「盛岡りんご」のブランド性を高め、その普及を図ることを目的として、平成18年から「盛岡りんご推進協議会」が組織されています。協議会は市と盛岡市内のりんご生産者19名で構成されており、右のロゴマークを使用しながら盛岡りんごのPRに努めています。

盛岡りんごの代表品種

 りんごには、たくさんの品種があり、収穫時期により早生(わせ)種、中生(なかて)種、晩生(おくて)種の3つに分けられます。

 盛岡では早生種から晩生種まで、約40種類が栽培されており、旬の「盛岡りんご」を、長い期間、味わうことができます。

 盛岡りんご推進協議会が選んだ「盛岡りんご」の代表6品種を紹介します。

早生種(8月~9月)

さんさ

さんさりんごの写真

 「さんさ」は、果樹試験場盛岡支場(現在の東北農業研究センター)で登録されたりんごです。夏に成熟することから、盛岡の夏を代表する祭り「盛岡さんさ踊り」を連想して名付けられました。
 さんさ太鼓の腹帯のような鮮やかな紅色と、やや小ぶりなサイズのかわいい見た目が特長です。
 果肉は白っぽく、硬くしまっています。早生品種の中では食味が優れており、果汁が多く、甘みと酸味の調和がとれたりんごです。

 

紅いわて

紅いわての写真(ダミー)

 「紅いわて」は、岩手県農業研究センターが育成した岩手県オリジナルの品種です。岩手県オリジナルの品種としては、初めての「紅い」りんごで、その真っ赤な色合いが名前の由来です。
 形はふっくらと丸く、名前のとおりの濃い紅色が特長です。早生種の収穫から中生種の収穫までの間をつなぐ優良品種として開発され、この時期に作られる品種の中では食味が優れています。
 果肉は固くパリッとした歯ごたえで、果汁が多く、強い甘味と適度な酸味のりんごです。

中生種(9月~10月)

ジョナゴールド

ジョナゴールドの写真

 「ジョナゴールド」は、アメリカで育成され親であるゴールデンデリシャスとジョナサン(和名:紅玉)が名前の由来です。
 スーパーでもよく見かける品種で、国内では岩手県と青森県が一大産地です。
 ツヤのあるピンクがかった赤色で、完熟すると表面のテカリが強く出るのが特長です。
 果肉はきめ細やかでやや酸味が強く、生食やスムージーなどの材料にも適しています。

 

もりのかがやき

もりのかがやき写真

 「もりのかがやき」は、果樹試験場盛岡支場(現在の東北農業研究センター)で登録され、黄色い果実が太陽の光を浴びてきらきらと輝くイメージから名付けられました。
 黄色の中生種で、盛岡の気象や土地条件に適したりんごの数が少なかったことから開発されました。見た目は黄色ですが赤いりんご同士をかけあわせて作られています。
 大玉で、黄色くなめらかな表面が美しいのが特長です。
 果肉は黄白色で、歯触りが良く果汁が多くてみずみずしいです。糖度が高く酸味が弱いためとても甘く感じます。

 

晩生種(10月~11月)

ふじ(サンふじ)

サンふじの写真

 「ふじ」は、世界で一番生産されている品種です。昭和14年、青森県藤崎町にあった農林省園芸試験場東北支場において、「国光」と「デリシャス」の交配により生まれた苗木の中から、最も優れたりんごを実らせた1本の木が「ふじ」の原木となりました。現在は試験場の移転統合とともに、その原木も盛岡市にあります。
 果肉は硬めでシャキっとした歯触りです。蜜も入りやすく、香り、甘味と酸味のバランスがとれた、これぞ「りんご」という王道の味です。袋をかけずに栽培する「サンふじ」は、日光を多く浴びる分、甘味が強いのが特長です。

 

はるか

はるかの写真(ダミー)

 「はるか」は岩手大学農学部の横田清名誉教授が平成14年に品種登録した比較的新しい品種で、横田名誉教授のお孫さんの名前が由来です。全国で流通している「はるか」の7割は岩手県内で生産されており、希少で高級な品種です。
 外観はつるりとした淡い黄色で、やや円錐形なのが特長です。
 果肉は固くパリッとした歯ごたえで、国内で流通する品種の中ではトップクラスに甘味が強く、蜜が入りやすいりんごです。

 

 

購入場所

盛岡りんごは、市内の産直のほか「盛岡りんご推進協議会」会員の直売所・ホームページなどから購入することができます。

問い合わせ

盛岡りんご推進協議会事務局(農林部農政課 食と農の連携推進室内)

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電話番号:019-626-7540(農政企画係)、019-613-8457(生産振興係)、019-613-8458(経営支援係)、019-613-8459(農村整備係)、019-626-2270(食と農の連携推進室) ファクス番号:019-653-2831
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