平成22年1月1日から盛岡市市政における公正な職務の執行の確保に関する条例を施行します。
広報ID1012026 更新日 令和3年9月16日 印刷
盛岡市は、平成22年1月1日から、職員の公正な職務の執行を確保し、市民の皆さんの負託に応え信頼される市政を確立することを目的として、「盛岡市市政における公正な職務の執行の確保に関する条例」を施行します。
条例の制定の背景
昨年度明らかになった不適切な公金経理を検証したところ、職員の公金経理に対する意識の希薄さと不適切な処理を許してしまう職場の風土が原因として挙げられました。
このことを深く反省し、不適切な公金経理の再発防止はもちろん、職員の公正な職務の執行を確保するためには、職員一人ひとりを含めた組織全体の意識改革や公正な職務の執行を確保する仕組みづくりが必要であることから、この条例を制定しました。
条例のポイント
組織全体の意識改革
職員は法令を遵守するのはもちろん、自らの行動が公務全体の信用に影響することを十分に認識し、その上で市民の皆さんから信頼されるための行動基準を定め、職員の資質の向上と公務員としての倫理に関する意識の高揚を図ります。
また、管理職は、部下職員を適切に指導するとともに、管理職自らが職員の模範となるよう行動します。
公益通報制度と不当要求行為への対応
公益通報制度により市内部や契約業者の法令違反などの不適正な行為を早期に是正し、未然に防止します。
また、市に対する要望や相談などのうち、特定のもの(特定要求行為)を記録し、監視機関へ報告することで、組織として情報を共有しながら適切に対応します。
職員が職務を執行するうえで受ける不当要求行為に対しては、組織として毅然と対応し、公正な職務の執行を確保します。
規律の強化と透明性の確保
組織内部の規律を確保し自ら監視する「公正職務委員会」と法律に詳しい人などが外部から監視する「公正職務審査会」の二つの監視機関を設けて、二重のチェック体制をとります。
また、条例の実施状況は、毎年、市民の皆さんへ公表します。
条例Q&A
市民の皆さんから信頼されるための行動基準とは?
公務の信用を確保するための指針として、次に掲げる行動基準を定めました。このことを守り、公正な職務の執行を確保します。
- 正当な理由なく特定の者に対してのみ有利な取扱いをするなど不当な差別的取扱いをしない。
- 公私の別を明らかにし、その職務又は地位を自ら又は自らの組織の私的利益のために用いない。
- 職務に関する権限の行使に当たっては、その関係者から金品を受け取るなど市民の疑惑や不信を招くようなことをしない。
- 職務の執行に関し十分な説明を行うとともに、不当要求行為があったときは、これを拒否しなければならない。
なお、職員がこの行動基準に違反したときは、地方公務員法に基づく懲戒などの処分を受けることになります。
公益通報制度とは、どのような制度ですか?
職員や契約業者などの従業員が、法令違反など職員の不適正行為を発見した場合に通報する制度です。
通報を受けた監視機関(内部の職員で構成する「公正職務委員会」や法律に詳しい人など職員以外の人で構成する「公正職務審査会」)が調査や審査をし、不適正行為があるときは、任命権者(注1)はその行為を是正したり再発防止のための必要な措置をとります。
なお、公益通報制度を実効性のあるものとし、市として法令遵守を確保するため、職員や契約業者などの従業員が、公益通報をしたことや調査に協力したことにより不利益な取扱いを受けることはありません。
(注1)任命権者とは市長のほか、地方公営企業(水道や市立病院)の管理者、教育委員会など、それぞれ職員の任命、懲戒などを行う権限を持つ者のことをいいます。
特定要求行為とは、どのような行為ですか?
市民の皆さんや事業者、各種団体などから寄せられる要望や依頼などをいいます。職員はその内容を記録し、公正職務委員会へ報告することで透明性を高め、組織として適切に対応します。
ただし、次のものは特定要求行為からは除かれます。
- 議会や住民説明会など公開の場で行われたもの
- 陳情書や要望書などの書面で行われたもの
- 社会的に影響力のある人(注2)以外からの窓口や電話による要望や相談など通常の職務(注3)にかかわるもの
(注2)社会的に影響力のある人とは次の人々のことをいいます。
- 国会議員、地方公共団体の議員、地方公共団体の長
- 上記の秘書や支援者など活動を補佐する人や上記の地位を利用しようとする親族
- 許認可などの権限に基づく影響力を行使しようとする市職員以外の公務員
- 市職員OBなど在職時の地位に基づく影響力を行使しようとする公務員だった人
- 業界団体や経済団体の役員(一民間企業の役員は、これに該当しません。)
(注3)社会的に影響力のある人の一個人としての自分や家族に関する窓口での手続きや相談、単なる照会や事実確認の範囲内にとどまるものは、通常の職務に当てはまります。
なお、特定要求行為そのものを不当なものとして取り扱うものではありません。
不当要求行為とは、どのような行為ですか?
特定要求行為のうち、正当な理由なく、特定の者を有利又は不利に扱うよう職員に求めたり、威圧的言動や暴力を伴うなど社会常識を逸脱した手段により自らの要求を実現させようとする行為をいいます。
なお、不当要求行為であるかどうかは、法律に詳しい人など職員以外の人で構成する公正職務審査会が調査や審査をします。
公正職務委員会と公正職務審査会には、どのような役割があるのですか?
公正職務委員会は、公益通報や特定要求行為の調査や公正職務審査会への報告など、組織内部の規律を確保し自ら監視する役割を担います。
公正職務審査会は、公益通報の調査や不当要求行為に該当するかどうかの調査・審査など、外部から監視する役割を担います。
この委員会と審査会の二重チェック体制により、公益通報の事実を隠したり、職員の恣意的な判断により市民の皆さんからの正当な要望や相談などを拒否したりするのを防止することで、公正性と透明性を高めます。
盛岡市市政における公正な職務の執行の確保に関する条例について
盛岡市は、この条例を施行することを機に、職員の法令の遵守や倫理の保持、そして公正な職務の執行を確保することで、市民の皆さんの負託に応え、信頼される市政の実現を目指します。
市民の皆さんのご理解とご協力をお願いいたします。
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