史資料等の調査について
広報ID1043072 更新日 令和5年6月5日 印刷
かつて盛岡城にあった建物に関する情報は、盛岡城の普請に関する記録や城絵図、建物の間取りが記された城内図、古写真等から読み取ることができます。
しかし、建物の構造や使用された部材の寸法等が詳しく分かる史資料は、現時点で確認されていません。また、盛岡城の建物が写る写真は1種類しか見つかっておらず、建物外観の様子などについても不明点が残されています。
盛岡城の建物が解体されておよそ150年が経過した現在、当時の様相について直接知る方はなく、また、転居や建物の増改築の際などに不詳となってしまった貴重な史資料も少なくないと考えられます。そのほかにも、市内における洪水・火災等の災害など、様々な要因により、現在まで史資料の発見に至っていない可能性があります。
盛岡城復元調査推進室では、これらの史資料調査に集中的に取り組んでおり、これまでの取組により、盛岡城や盛岡藩に関係する新たな史資料を確認しています。また、県内外の資料館等において保管されている盛岡城関係の未確認資料もあることから、今後も継続して調査に取り組んでいきます。
土蔵等の資料探索
藩政時代における諸街道の整備や北上川を利用した舟運は、多くの人や文物の往来を盛んにしました。盛岡城を要とした城下町には、武士はもちろんのこと、様々な職人や商人等も居住し、経済・文化の拠点として発展しました。盛岡市内には町家や老舗の商家、寺院等が残り、往時の景観を伝えます。
古くから残る建造物には、過去の貴重な文物が保管されていることが多く、その中に、盛岡城に関する史資料が残されている可能性があります。特に土蔵は、収納のための施設であり、その可能性が高いものと考えられることから、所有者の方にご協力をお願いし、その内部調査に取り組んでいます。
令和4年度までに、20件以上の土蔵等について調査を実施しています。調査を通じて盛岡城の建造物復元の根拠となる新たな発見には至っていませんが、城下図や盛岡藩関係の古文書、明治期に撮影された盛岡市内の写真等、貴重な史資料の発見に結び付いています。
資料館等への所蔵照会・資料調査
盛岡城に関する記録や盛岡城絵図、城下図等の多くはもりおか歴史文化館に収蔵されていますが、県内外の社寺や資料館、博物館、図書館等に所蔵されている史資料も多数あります。
盛岡城復元調査推進室では、これまで60以上の機関に盛岡城に関する史資料の所蔵について調査を行ったほか、所蔵目録等の確認などにより関連資料の所在を把握し、史資料の閲覧調査を進めています。また、市内外の皆様からいただいた情報提供を通じて、関連資料を所蔵する県外の博物館等を把握できた事例もあります。
岩手県立図書館、岩手大学図書館、臼杵市教育委員会、岡山大学附属図書館、金沢市立玉川図書館近世史料館、国立国会図書館、国文学研究資料館、国立公文書館、国立歴史民俗博物館、三康文化研究所附属三康図書館、島原図書館、仙台市博物館、高岡の森弘前藩歴史館、筑波大学附属図書館、東京国立博物館、東京大学史料編纂所、東京大学附属図書館総合図書館、東京都立図書館、東北大学附属図書館、徳川林政史研究所、十和田市郷土館、名古屋市蓬左文庫、西尾市岩瀬文庫、新渡戸記念館、八戸市立図書館、花巻市博物館、弘前市立図書館、福井県文書館、福岡市総合図書館、宮城県立図書館、宮古市北上山地民俗資料館、山口県文書館 など
※未調査の所蔵先を含みます。
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