入浴施設におけるレジオネラ症の集団発生について
広報ID1006594 更新日 平成28年8月21日 印刷
市保健所は、「銭湯 岩手山」の検体由来の菌株と患者由来の菌株について、PFGE法による遺伝子検査を実施した結果、両者の遺伝子パターンが一致したことを確認したことから、当該施設を原因施設と判断しました。また、同施設に対し、6月1日(月曜日)に公衆浴場法に基づき60日間の営業停止を命令しました。
経過
- 平成27年5月14日(木曜日)から29日(金曜日)にかけて、盛岡市内の医療機関から、感染症法に基づくレジオネラ症発生届の提出が12件(下表)あり、調査の結果、患者全員が、4月下旬から5月下旬までの間に公衆浴場「銭湯 岩手山」(盛岡市向中野七丁目15-17)を利用していることが判明しました。
- 市保健所では、5月15日(金曜日)、18日(月曜日)に上記施設の立入検査を実施し、5月19日(火曜日)に営業者に対し、設備等の清掃消毒の実施及び浴槽水等の自主検査により基準に適合することを確認するまでの間、施設の使用を自粛するよう要請すると共に、衛生管理状況等について報告を求めました。
- 5月25日(月曜日)、培養検査により当該施設の浴槽水等から基準値を超えるレジオネラ属菌が検出され、市保健所では、営業者に対し、施設設備及び管理方法の改善が確認されるまでの間、引き続き施設の使用を自粛するよう要請しました。
- 6月1日(月曜日)、対象施設の検体由来の菌株と患者由来の菌株について、PFGE法による遺伝子検査により、遺伝子パターンが一致したことを確認したことから、市保健所は当該施設を原因施設と判断しました。
- 同日、公衆浴場法に基づき、施設に対し、施設設備および管理方法の改善が確認されるまで60日間の営業停止を命令しました。
レジオネラ症とは
レジオネラ症は、レジオネラ属菌という細菌が原因で起こる感染症で、レジオネラ属菌に汚染された水のしぶきなどから菌を吸い込むことによって感染します(ヒトからヒトへの感染はありません)。
この病気は、健康な人もかかりますが、幼児やお年寄り、他の病気などにより抵抗力が低下している人に発病することが多いと言われています。
症状と潜伏期間
レジオネラ症には、次の2種類があります。
-
レジオネラ肺炎
(1) 症状:肺炎が主症状で、食欲不振、全身倦怠感、発熱、筋肉痛、せき、痰の他、腹痛, 下痢等の消化器症状や精神神経症状等の症状も見られることがあり、重症になると死亡することもあります。
(2)潜伏機関:2から10日 - ポンティアック熱
(1)症状:発熱、全身倦怠感、頭痛、せき、筋肉痛等がみられますが、比較的軽症です。
(2)潜伏期間:1から2日
予防方法
- 家庭における予防法
(1)お湯を循環ろ過して長時間使用する風呂の場合は、レジオネラ菌が増殖する可能性がありますので、お風呂のお湯は適宜交換し、浴槽を清掃して清潔に保ちましょう。また、浴槽に入る前に、体の汚れを落としてから入るようにしましょう。
(2)お風呂では、気泡ジェットなどしぶきを発生する器具の使用を避けましょう。
(3)加湿器の水には水道水など清潔な水を使用するとともに、水をこまめに取り替え、定期的にタンクやのノズルの洗浄をしましょう。また、加湿器を使用しない期間は、水を抜いて乾燥させておきましょう。
- 浴場施設における対策
浴槽水の交換、適正な消毒の実施などにより衛生管理を徹底してください。
治療方法
レジオネラ症は、適切な抗菌薬を使用することで治療できますが、治療が遅れると重症化することもあるので、気になる症状が見られた場合は、早めに受診しましょう。
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