建設工事に伴い生ずる廃棄物の処理責任の元請業者への一元化について
広報ID1008744 更新日 平成28年8月21日 印刷
平成22年改正廃棄物処理法(以下「法」と言います。)により2011年4月1日から建設工事の注文者から直接建設工事を請け負った元請業者が排出事業者であると定められました。(法第21条の3第1項)
これにより、元請業者は建設工事(下請業者に行わせるものを含む。)から発生する廃棄物の処理について自ら適正に処理を行い、又は委託基準により適正に処理を委託する必要があります。
また、元請業者から請け負って、建設工事等を行う下請業者は、下請負人(下請業者)が事業者とみなされる特例に該当する場合を除き、建設工事から発生した産業廃棄物の収集運搬する場合は、産業廃棄物収集運搬業業の許可が必要となります。(許可がない場合は運搬できません。)
下請負人(下請業者)が事業者とみなされる特例
下請負人が建設工事から発生した廃棄物を運搬する場合は、原則として収集運搬業の許可が必要となりますが、次の条件にすべて該当する場合は、下請負人が事業者とみなされ、収集運搬業の許可なく運搬することが可能です。
ただし、廃棄物の処分については、下請負人を事業者とみなす特例はありませんので、処分業の許可が必要となります。
特例となる要件
- 下記のいずれかに該当する建設工事に伴い生ずる廃棄物であるもの
- 維持修繕工事であって、その請負代金(発注者からの元請負代金)の額が500万円以下である工事
(同一の者が契約を分割している場合は、正当な理由(非常災害等)がある場合を除きその合算額となります。) - 引き渡しがされた建築物等の瑕疵の補修工事であって、これを請負代金相当額が500万円以下である工事
- 維持修繕工事であって、その請負代金(発注者からの元請負代金)の額が500万円以下である工事
- 特別管理廃棄物以外の廃棄物の運搬であること
- 1回あたりの運搬量が1立方メートル以下であることが明らかになるよう区分して運搬されること
- 元請業者が所有権または使用権原を有する保管場所であって、建設現場と同一あるいはその隣接都道府県(発生場所が盛岡市の場合:岩手県、青森県、秋田県又は宮城県内)に所在するものに運搬されること
- 運搬途中において保管が行われないこと
- 個別の建設工事にかかる書面による請負契約で下請負人が運搬を行うことが定められていること(建設工事が基本契約書に基づくものである場合、個別の建設工事ごとに次の事項を記載した別紙(以下「別紙」と言います。)を交わす旨を基本契約書に記載し、別紙を作成することで代えられる。)
別紙に記載する事項について
- 請業者及び下請負人の氏名又は名称、住所及び電話番号
- 当該廃棄物を生ずる事業場の所在地
- 発注者の氏名又は名称及び住所
- 運搬する廃棄物の種類及び一回当たりの運搬量
- 運搬先の施設の所在地
- 運搬先の施設について元請業者が所有権又は使用権原を有する旨の元請業者の誓約
- 運搬を行う期間
- 運搬を行う従業員の氏名
- 運搬車の車両番号
- 当該建設工事が維持修繕工事である場合には、請負代金の額が500万円以下である旨の元請業者の誓約
- 当該建設工事が瑕疵補修工事である場合には、建築物等の引渡しがされた年月日及び請負代金相当額が500万円以下である旨の元請業者の誓約
参考別紙様式
別紙の参考様式を作成しましたのでご活用ください。(環境省の施行通知の別記様式と同じものです。)
下請負人の運搬に関する注意事項
廃棄物の運搬については、収集運搬の基準が適用になり、運搬車に規則に定める書面を携帯する必要があります。
規則に定める書面とは、運搬する廃棄物が下請負人が事業者とみなされる特例で定める廃棄物であることを証する書面及び当該運搬が建設工事に係る書面による請負契約で定めるところにより自ら運搬を行うものであることを証する書面となります。
具体的な例としては、次のいずれかの書面となります。
- 請負契約書の写し(個別の建設工事にかかる書面による請負契約で下請負人が運搬を行うことが定められていること。)
- 基本契約書の写し及び基本契約書に添付する別紙の写し
下請負人の委託に関する注意事項
法第21条の3第4項には「下請負人がその運搬又は処分を他人に委託する場合」に「下請負人を事業者とみなし」という規定がありますが、これは不適正な委託を行った下請負人に対する規制がなくなることを避けるため、委託に関する諸規制(罰則等)を下請負人に課すものであり、下請負人が廃棄物の処理を委託することを推奨する趣旨ではありません。
なお、規定により下請負人が事業者とみなされた場合でも、元請業者が事業者でなくなるということではありません。
下請負人が運搬する場合の産業廃棄物管理票(マニフェスト)の取り扱い
下請負人(下請業者)が事業者とみなされる特例により下請負人が産業廃棄物を運搬する場合でも、排出事業者は元請業者となることから、産業廃棄物管理票(マニフェスト)の取り扱いは次のようになります。
- 管理票を交付するのは元請業者となること。
- 「事業者」欄の記載内容は元請業者となること。
- 管理票の保存義務は元請業者にあること。
なお、下請負人が運搬する場合においては、元請業者が自ら運搬するときと同様、「運搬受託者」及び「運搬受託」欄に下請負人の氏名等は記入する必要はありません。
ただし、元請業者が下請負人を経由して受託者に管理票を交付した場合には、「交付を担当した者の氏名」欄には、当該交付を担当した下請負人の氏名を記載してください。
元請業者に対する措置命令
元請一元化にあわせて、措置命令対象者に、下請負人が不適正な処分等を行った場合の元請業者(その処分等を他人に適正に委託していた場合を除く)が追加されました。
建設工事に伴い生じる廃棄物について、下請負人が自ら又は他人に委託して不適正な処分等が行われた場合であって、元請業者が適正にその処分を委託していなかったときは、下請負人のみならず元請業者に対しても支障等の除去の措置を行うよう命令が発出される場合があります。
関係情報(法律・通知)
(注)2011年4月1日施行の条文です。
- 廃棄物処理法三段対照(建設工事に伴い生ずる廃棄物の処理責任の元請業者への一元化関係) (PDF 112.8KB)
- 施行通知(建設工事に伴い生ずる廃棄物の処理責任の元請業者への一元化関係) (PDF 227.8KB)
- 建設工事から生ずる廃棄物の適正処理について(通知) (環境省)(外部リンク)
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