レジオネラ症
広報ID1006594 更新日 令和6年11月27日 印刷
病原体 |
レジオネラ属菌(細菌) |
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症状 |
レジオネラ肺炎:全身倦怠感、筋肉痛、頭痛、高熱、悪寒など ボンティアック熱:発熱、悪寒、頭痛など |
感染経路 |
エアロゾル感染:循環式浴槽、冷却塔、加湿器などで増殖した菌を水のしぶきと一緒に吸引することで体内に入る。 土壌などからの感染:土壌や河川などの自然界にも広く存在しているため、菌がいる腐葉土の粉じんや川の水を吸い込むことで体内に入る。 |
陽性者から他の人への感染 |
しない |
予防方法(家庭) |
浴槽や浴槽排水管、シャワーヘッドの清掃。加湿器の掃除。 庭仕事や農作業後には、すぐにお風呂に入り、衣類は洗濯する。 |
感染症法に定められた「4類感染症:全数把握義務」の感染症です。
レジオネラ症の詳細
レジオネラ症は、レジオネラ属菌という細菌が原因で起こる感染症です。この病気は、健康な人もかかりますが、幼児やお年寄り、他の病気などにより抵抗力が低下している人に発病することが多いと言われています。近年の患者報告数は、全国で年間約2,000例、岩手県で年間約20例で推移しています。
潜伏期間と症状
レジオネラ症には、次の2種類があります。
レジオネラ肺炎
潜伏期間
2~10日
症状
肺炎が主症状で、食欲不振、全身倦怠感、発熱、筋肉痛、咳、痰の他、腹痛、下痢等の消化器症状や精神神経症状なども見られることがあります。重症になると死亡することもあります。致死率は概ね5~10%程度とされ、治療の遅れや加齢、合併症により致死率はさらに上昇します。
ポンティアック熱
潜伏期間
1~2日
症状
発熱、全身倦怠感、頭痛、せき、筋肉痛などがみられますが、比較的軽症で、2~5日程度で自然治癒します。
原因と感染経路
代表的な病原体は、レジオネラ・ニューモフィラです。レジオネラ属菌は、自然界の土壌や淡水(川や湖)に広く生息しており、アメーバなどの原生動物に寄生し、20~50℃で増殖します。レジオネラ属菌が人工的な水循環設備(循環式浴槽、冷却塔、給湯設備など)中に侵入、繁殖し、それらの施設から発生するレジオネラ属菌を含むエアロゾル(細かい霧やしぶき)を吸入することで感染します。レジオネラ属菌は、ヒトからヒトへ感染することはありません。
- エアロゾル感染
レジオネラ属菌に汚染されたエアロゾルを吸入することによって感染します。代表的なエアロゾル感染源としては、冷却塔水、加湿器や循環式浴槽などが報告されています。 - 吸引・誤嚥
エアロゾル感染以外に、温泉浴槽内や河川で溺れた際に汚染された水を吸引・誤嚥したことによる感染事例が報告されています。 - 土壌からの感染
レジオネラ属菌に汚染された腐葉土の粉じんを吸い込んだことが原因と推定される感染事例が報告されています。
予防方法
※現在、予防できる有効なワクチンはありません。
家庭における予防方法
- 浴槽を清潔に保ちましょう。
お湯を循環ろ過して長時間使用するお風呂の場合は、レジオネラ菌が増殖する可能性がありますので、お風呂のお湯は適宜交換し、浴槽を清掃して清潔に保ちましょう。また、浴槽に入る前に、体の汚れを落としてから入るようにしましょう。 - お風呂では、気泡ジェットなどしぶきを発生する器具の使用を避けましょう。
- 加湿器は水道水を使用し、定期的に洗浄しましょう。
加湿器の水には水道水など清潔な水を使用するとともに、水をこまめに取り替え、定期的にタンクやノズルの洗浄をしましょう。また、加湿器を使用しない期間は、水を抜いて乾燥させておきましょう。 - 農作業などで土ぼこりを吸わないようにマスクを着用しましょう。
土ぼこり等粉じんの発生する腐葉土の取り扱いには、吸い込まないよう可能な限りマスク等着用しましょう。庭仕事(園芸用の土など)や農作業中、水害後の片付け作業の時は特にも注意しましょう。
浴場施設における対策(施設管理者向け)
- 浴槽水の交換、適正な消毒の実施などにより衛生管理を徹底してください。
- 浴槽の管理方法について、詳細は下記リンク先「レジオネラ症の発生防止について」をご覧ください。
治療方法
レジオネラ症は、適切な抗菌薬を使用することで治療できますが、治療が遅れると重症化することもあるので、早期診断・早期治療が重要です。気になる症状が見られた場合は、早めに受診しましょう。
医療機関のみなさまへ
- レジオネラ症は、感染症法に定められた「4類感染症:全数把握義務」の感染症であり、診断した医師はただちに最寄りの保健所へ提出をお願いします。
- 診断には、発症前10日間程の生活経過から、感染源として疑われる水利用施設での曝露の可能性、旅行歴、周囲の有症状者の有無等にご留意ください。なお、検査には尿中抗原検出、培養、 血清抗体価の測定およびPCR法などがあります。
入浴施設における集団発生について
平成27年に、市内の公衆浴場施設(現在は営業を廃止しています。)を原因としたレジオネラ症の集団発生事例があり、入浴客の中から13名の患者が発生し、9名が入院、1名の死亡事例が発生しました。市保健所は、当該施設に対し公衆浴場法に基づき60日間の営業停止を命じました。
この他にも、入浴施設を原因とする感染事例は各地で発生しており、特定の入浴施設だけの問題ではなく、全ての入浴施設において起こり得る共通の問題となっています。
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このページに関するお問い合わせ
保健所 指導予防課 感染症対策担当
〒020-0884 盛岡市神明町3-29 盛岡市保健所6階
電話番号:019-603-8244 ファクス番号:019-654-5665
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