重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
広報ID1006620 更新日 令和6年11月27日 印刷
病原体 |
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルス |
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症状 | 発熱、倦怠感、頭痛、消化器症状など。血液検査の所見では白血球減少、血小板減少など。 |
感染経路 | ウイルスを保有するマダニに咬まれることで感染する |
陽性者から他の人への感染 | する(医療従事者は患者の血液等に暴露され感染することがある) |
予防方法 | マダニに咬まれないように対策する |
感染症法に基づき「4類感染症:全数把握義務」に定められています。
重症熱性血小板減少症候群の詳細
重症熱性血小板減少症候群(Severe Fever with Thrombo cytopenia Syndrome:SFTS)(以下、STFS)は、主にSFTSウイルスを保有するマダニに咬まれることで感染し、引き起こされる病気です。マダニに咬まれないようにすることが感染予防となります。
2013年1月に、国内で初めて報告され、研究によると2005年には患者がすでに発生していたと考えられています。国内では西日本側を中心に報告されていますが、2014年2月に公表された調査で、岩手県内に生息するマダニからSFTSウイルス遺伝子が検出されたことが発表されました。
原因と感染経路
主にSFTSウイルスを保有するマダニに咬まれることで感染します。
マダニは日本で47種類以上生息しており、これまでの調査結果では、複数のマダニ種からSFTSウイルスが検出されています(フタトゲチマダニ、ヒゲナガマダニ、オオトゲチマダニ、キチマダニ、タカサゴキララマダニ)。
ただし、これらのマダニ種すべてが、ヒトへの感染に関与しているかについてはまだ分かっていません。
潜伏期間と症状
潜伏期間
6日から14日
症状
発熱、倦怠感、頭痛、消化器症状(嘔気嘔吐、下痢、腹痛など)、リンパ節の腫れなどが見られます。マダニに咬まれても痛みやかゆみはありません。血液検査の所見では、血小板減少や白血球減少が認められることが特徴です。
予防方法
※現在、有効なワクチンはありません。
マダニに咬まれることを完全に防ぐことは難しいとされていますが、以下のような対策をこころがけましょう。
- マダニが活発に活動する春から秋は山野や草むらに入らないようにします
- 山野や草むらに入るときは次のことに注意します
・肌が露出しないような衣服を着用する
(長袖、長ズボン、手袋、帽子、首をタオルで覆う、足を完全に覆う靴、ダニがつきにくいナイロン製の衣服など)
・山野では、草の上に直接座らない
・虫よけスプレーを使用する - 山野や草むらから帰宅したら・・・
・服は早めに着替えて洗濯する(ダニ類がついている可能性があります)
・早めに入浴し、体をきれいに洗い、ダニ類に刺されていないか確認する
(特に、わきの下、足の付け根、手首、膝の裏、胸の下、頭部(髪の毛の中)) - ペットのダニにも注意しましょう
犬や猫などのペットにもマダニが付着し吸血することがあります。散歩から帰ったらブラッシングするなど、ダニがついていないか確認します。
(ダニが付着していた場合は無理にとらず、かかりつけの獣医師に相談してください)
ペットについては、ペット用ダニ予防薬やペット用ダニ駆除剤を使用する方法もある。 - 小まめな草刈で生息地を減らしましょう
身近な公園や市街地の草むらにいる可能性もあります。こまめに草刈をするなど、生息地を減らしましょう。
山野に入った後に、発熱、発疹などの症状が見られたら
早急に医療機関を受診し、山野に入ったことや刺し傷の有無などについて説明しましょう。
もしダニに吸血されているのを発見したら、無理に引っぱらず、早めに皮膚科を受診してください。自然に取れた場合でも、できるだけダニを持参しましょう。(無理に引っぱると、頭部が体内に残ってしまい化膿などの原因となります)
治療方法
現在のところ、SFTSに効く薬やワクチンはなく、対症療法が主な治療方法となります。
重症化する場合もあり(致死率は、約10%から30%)、感染予防対策と発症後の早期診断が重要とされています。
医療機関のみなさまへ
SFTSは、感染症法の4類感染症です。診断した場合は直ちに保健所へ発生届を提出してください。
検査のために採取した検体がありましたら保管をお願いします。
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このページに関するお問い合わせ
保健所 指導予防課 感染症対策担当
〒020-0884 盛岡市神明町3-29 盛岡市保健所6階
電話番号:019-603-8244 ファクス番号:019-654-5665
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