盛岡市地域おこし協力隊活動報告(令和5年3月・阿形隊員)

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広報ID1042313  更新日 令和5年3月28日 印刷 

 「害獣から『農のめぐみ』を守るプロジェクト」というテーマのもと、盛岡市の北部、玉山地域で鳥獣による農作物被害の対策について活動しています、産業振興課所属の阿形です。一昨年の夏に東京から玉山へ移り住み、地道に活動させていただいています。それにしても良いところですよね盛岡。食べ物は美味しいし、人は少しばかりせっかちですが人情があって暖かいし、都会では味わえない人との触れ合いが楽しめる。何より自然が豊かで美しい。夏、干上がるように暑くても。冬、凍りつきそうに寒くても。移住して一年半、そんな玉山での生活にすっかり魅せられてしまいました。今回は、私のプロフィールと活動内容をごくごく簡単にですがご報告させていただきます。

協力隊活動報告(令和5年3月)写真1

 昭和生まれの昭和育ち。こてこての昭和オヤジです。前職は都内の公共交通機関に従事していましたが、子供達が各々独り立ちしたのを機に早期退職してこの地へやって参りました。周りからは「いい歳して何を考えているのだ」とか「退職するのもったいないよ」だとか散々いわれましたが。子供達も巣立ち親としての責務も取り敢えず果たしたことだし、体力的に今逃したら難しいだろうし、何より後々やっておけば良かったと後悔することだけはしたくなかったので思い切って来てしまいました。今の日本なんとかなるさ。と何事にも楽観的な考え方の私ですが、現実主義的な考え方の女房には随分と気苦労をかけてしまっているようです。(ごめんねノ〇コ。なんとかなるさ。)

協力隊活動報告(令和5年3月)写真2

協力隊活動報告(令和5年3月)写真3

 鳥獣被害に興味を持つことになったきっかけは、二十数年前趣味の登山で信州の八ヶ岳を訪れた際に、たまたま行き合わせたガイドの方から、八ヶ岳で起きているシカによる深刻な食害の話しを聞いたことが発端だと思います。その事があってから各地の山を登る際、森林の食害痕に自然に目が向くようになってしまい、それまでは気にもならなかった事が、気にして目を向けてみたら深刻な状況なのだと気付かされてしまいました。その後も里山周辺の農家の方々から被害の状況を聞いたり見たりしているうちに、何とかならないのかな、何かお役に立てることはないのかなと考えるようになってしまって。そしていつの間にか狩猟免許を取得し、地方のハンターさんの話しを聴かせて頂いたり、時には狩猟に同行させて頂いたりしてなんとなくですがイメージを膨らんだところで、ご縁がありまして盛岡にてその任に就かせていただいています。

協力隊活動報告(令和5年3月)写真4

 私が担当する区域は、盛岡市の北部に位置する玉山地域と呼ばれている地域です。以前は玉山村と称していたそうですが2006年に盛岡市と合併して現在に至ります。稲作や畜産、酪農などが盛んな地域ですが四方を山に囲まれた中山間地域であることから、毎年シカやツキノワグマといった野生動物による農作物被害も多い地域でもあります。着任前、「盛岡市の北側半分くらいが担当エリアです。」と聞かされていた私は、岩手県の中の一市町村、しかもそのうちの半分との話に、お手頃の広さかな、などと勝手に高を括っていました。が・・・。

 いやいやいや、広いんです盛岡市。そして玉山も。私が勤務します玉山総合事務所(旧玉山村役場)が、ほぼ地域の西の端渋民というところにあります。そこから岩洞湖を越え地域の境界である早坂峠まで、直線距離だとおよそ26キロメートルですが、車で移動すると山道を蛇行しての走行となるので実走行距離は倍の50キロメートル以上になります。南北の範囲も約15キロメートルあり総面積だと397.32キロメートルです。これって私の馴染みのある東京都の市区町村に当てはめると、東京都内で最大の面積を有する奥多摩町と、これまた2番目の面積の八王子市を合わせたくらいの面積になります。これってすごい広さですよね、それともこれくらいはふつうなのでしょうか。私の感覚だと広過ぎると思えるのですが。まあ、少し驚きましたが守るべきは圃場なので、これまでどうにかやっております。

協力隊活動報告(令和5年3月)写真5

 それと肝心な活動ですが、着任当初は主に土地勘を養うべく地形図を片手に、地域内を時には車で、時には脚で巡って農家の方達と話しを交えながら情報収集したりして、地域の事を知るようにしていました。それと並行して今後の活動に切っても切れない関係である、地元の猟友会のメンバーの方達と親睦を深められるよう、猟友会の活動に参加させて頂いたり、僅かながらもお手伝いをさせていただいて良好な関係を築けるようにしていました。皆さんには、当初よりとても暖かく迎い入れてもらえて感謝の言葉しかないです。

 着任時期が有害駆除期間の真っ只中ということもあって、短期間により多くの経験を積むことが出来たことは、今思えば幸いだったと思います。体力的にはかなりきつかったと記憶していますが・・・。そのおかげもありまして、この地域で求められてること、必要なこと等も自分なりに見えてきたので以下のようなことをやってみることにしました。

  1. 痕跡調査
  2. 行動調査
  3. 餌を使用した誘引実験
  4. 有効性の認められる餌を見つける実験
  5. 捕獲効率を高めるくくり罠の設置の検証実験
  6. 誘引餌を使用した大型かこい罠の設置
  7. 誘引餌を使用した箱罠の設置

協力隊活動報告(令和5年3月)写真6

協力隊活動報告(令和5年3月)写真7

 色々と失敗も重ねながら、手探り状態で一年以上こんなことを行ってきました。地味な活動ですが相手が野生動物であるため、直ぐに結果や結論を見いだせる訳ではありませんが、いつの日か、なにかしらの役に立つ時があることを信じてこれからも継続していくつもりです。

 その他、公民館の依頼を受けてジビエの料理教室を開催したり、自治会の集まりで鳥獣被害防止のための勉強会なども行わせていただきました。実験結果や調査のことにつきましては、また機会がありましたら報告させていただきます。

 玉山の牧草地や畑で、不審な行動をしている者を見かけましたら、それは多分私です。不審ですが危険はありませんので気軽に声をかけていただけると嬉しいです。

協力隊活動報告(令和5年3月)写真8

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