盛岡市地域おこし協力隊活動報告(令和6年3月・佐々木隊員)

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広報ID1047435  更新日 令和6年3月21日 印刷 

 こんにちは。「薮川をもっと稼げる地域に!」をテーマに活動している佐々木です(産業振興課所属)。たくさんの地域資源を持つ薮川ですが、超高齢化集落へと進む現実と向き合いながら、如何にして将来に向けて地域経済を活性化させていけるかを、地元の皆さんと日々意見を交わしています。

 令和4年度は、まず「歴史」「現在」「将来」の3つの視点から、とにかく「薮川を知る」ということに力を注いできました。今回はその延長線上で、令和5~6年度にかけて具体的に前に進めている活動をいくつかご紹介したいと思います。

 まず、岩洞湖家族旅行村。令和4年度に行ったWEBアンケートで寄せられた利用者の生の声や現場視察を元に、「岩洞湖家族旅行村 - 魅力向上のための改善検討事項」としてまとめ、岩手県の担当課に報告、提案を行いました。令和6年度の予算要求にも改善案を盛り込みましたが、緊急度の高いものから規模も含めて取捨選択し、順次改善が行われていくものと期待しています。

《設備や管理面の満足度(アンケート結果の一例)》
《設備や管理面の満足度(アンケート結果の一例)》
岩洞湖家族旅行村
岩洞湖家族旅行村

 次にそばスタンプラリー。これは、昨年(令和5年)岩泉町が事務局となって「外山早坂高原県立自然公園協会(盛岡市と岩泉町が2年毎に事務局を持ち回り)」が主催し、協会の予算の有効活用によって実現したイベントでした。R455沿いの外山・薮川・早坂エリアのそば提供店舗の利用促進と観光客の周遊を目的に8月~10月までの3カ月間行われたのですが、「地域が活気づいて良かった」「たくさんのお客さまに来ていただけた」「来年もあるなら参加したい」と、参加店舗の評価も上々でした。お客さまからも「来年も是非やって欲しい」と声をかけられた店舗もあったようです。スタンプラリーに盛岡市や岩泉町近郊以外から来られた方も多く、8店全店舗クリアした人が40人、半数の4店舗クリアした人が100人に上りました。何より期間中、お店同士が連携しながら景品の融通や調整を行うなど地域ぐるみで協力し合ったこともあり、手応えも大きかったのではないかと思います。

令和5年そばスタンプラリーのチラシ
令和5年そばスタンプラリーのチラシ

 イベント終了後、昨年(令和5年)12月に盛岡市、岩泉町の同協会担当者を交えて継続の可否について話し合いました。地元からの継続の要望も強く、協会担当者の皆さんもR455沿道を盛り上げるためにも出来ることなら是非続けたいという意向はありましたが、同協会としては、今回スポットで行ったイベントの位置づけのため、主催として継続することは難しいとのご判断でした。このまま1回限りで終えるのはもったいないため、これを協力隊の活動の一環として一旦引き取り、まずは令和6年度の実施を可能にするために、至急予算の確保に動きました。現在、令和6年度以降も継続的に実施できるよう、座組や運営の体制について産業振興課を交えて協議を行っています。何とか次の主催の目途も立ってきましたので、2年目のそばスタンプラリー開催に向けて準備を始めています。

 

 最後に薮川へのコンビニ誘致について。地元の皆さんの「買物がとにかく不便」「ちょっとしたものを買いに行くことができない」といった声に応えて、薮川にコンビニを誘致できないか、その可能性を検討しています。調べていくうちに至るところで壁にぶつかるため、まだまだハードルは高いですが、関係各所の協力を得ながら出口を探っています。

 薮川地域の世帯数やR455の交通量を踏まえると、客観的に見て出店の適地ではないことは分かっていたのですが、きっかけは、令和3年10月のファミリーマートと日本郵便の新たな取り組み「郵便局内でファミリーマート取扱商品を販売(サテライト店舗)」を知ったことでした。地域密着の郵便局として買物弱者へのサービスの一環で始めたとのことで、このスキームを薮川郵便局に横展開できないかを考え、まずは薮川郵便局局長に打診しました。局長も郵便業務以外に薮川に貢献できることはないかと模索されていたようで、この件に大変興味を持っていただきました。具体的な検討に賛同が得られたため、早速日本郵便(本社)、ファミリーマート(本社)にアプローチを行い、実験店舗となっている茨城県稲敷市「柴崎郵便局」の取材を行いました。

柴崎郵便局の入り口付近にはファミリーマートののぼり旗を設置
柴崎郵便局の入り口付近にはファミリーマートののぼり旗を設置
局内ロビーに設置されたファミリーマートコーナー、取扱い商品は常温と冷蔵ものが対象
局内ロビーに設置されたファミリーマートコーナー、取扱い商品は常温と冷蔵ものが対象

 その後ファミリーマート本社より北海道・北東北開発グループを窓口として紹介いただき、昨年(令和5年)から相談をしています。薮川の土地柄、コンビニが必要だということにご理解をいただいており、特殊立地としての過疎地の利便性向上にどう貢献していけるか、ということもファミリーマート側の課題として認識されていることから、様々な角度から突破口を模索しています。商圏の規模の問題もありますが、やはり配送に要する距離が問題で、店舗オーナーが20~30km離れた薮川郵便局にサテライト店を出すには配送負担が重くのしかかるため、大きなネックになっています。

 行政から何らかのサポートがあれば可能性があるかもしれないということで、薮川と市の中心地を結んでいる患者福祉バス(薮川郵便局前の倉庫が運行の拠点)の貨客混載利用の可能性を健康福祉課とも検討しましたが、厚生労働省による患者輸送車運行支援事業の補助金を活用して運行している車両であることから「目的外使用にあたり不可」との回答でした。

薮川郵便局
薮川郵便局

 検討する先々で壁に当たっているところですが、他地域では、コンビニ不在の町がファミリーマートと生協と3社協定を結んで過疎地に店舗展開をしたり、町営バスが宅急便と組んでデマンドバスによる貨客混載事業を行ったりと、様々な壁を乗り越えて実施している地域があります。これらの地域に共通するのは、行政が深く関わって取り組んでいることです。「民間✕行政」が物の流れに関わることで、物流の効率や薮川地域の利益・利便性向上を目指す「ソーシャル・ロジスティクス」が実現できないか、可能性がある限り追いかけてみるつもりです。

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