木を使おう!
広報ID1008291 更新日 平成28年8月21日 印刷
木を使おう!環境・人にやさしい木材利用のすすめ
森林の状況
盛岡市は7割を森林が占めそのうち半分が人工林(人が植えたもの)です。木材価格の低下と木材需要が少ないことから、森林所有者にとって植えた木の手入れをすることが難しくなり、本来森林の持つ様々な公益的機能が低下してきている状況です。
森林の公益的機能
森林の公益的機能とは
二酸化炭素吸収、化石燃料代替、表面侵食防止、表層崩壊防止、洪水緩和、水資源貯留、水質浄化、保健・レクリエーション機能などを森林の持つ公益的機能といいます。
盛岡市の森林の公益的機能評価額
盛岡市の森林の公益的機能を金額にして換算すると1325億円にもなります。(岩手県林業技術センター研究成果速報2002年6月より)森林は市民にとって貴重な財産であるといえます。
木材を使う利点とは─森林の循環─
木材を使用することは、森林の循環を促進させることにつながり森林の持つ公益的機能を保つことになります。森林は適度に伐採すると成長する力が増し、二酸化炭素吸収や大地、水を守る力が大きくなります。
また、木材は再生産できる資源であり環境に優しい素材です。さらに地域材を使用することにより地域産業や山村地域の活性化にもつながります。
木材の特徴─木は人に優しい素材─
なぜ、木は人にやさしいのでしょうか?
木材は「快適性」、「物理的性能」、「情緒性」をバランスよく備えた優れた建築資材です。主な特性は下記のとおりです。
(1)快適性 木材は、日常生活に快適性をもたらす
- 調湿機能
湿度が高くなると湿気を吸収し、湿度が低くなると放湿して、周囲の湿度を自動的に調節する。 - ダニ等抑制機能
フィトンチッド(精油)が含まれており、アレルギーの原因となるダニの繁殖を抑制するという研究結果がある。 - 騒音吸収機能
音を程良く吸収するため、昔から楽器等に使用されてきたほか、現在、高速道路の防音壁に使用する取組が行われている。 - 衝撃吸収機能
多孔性材料であり、コンクリートや大理石、プラスチック等に比べて衝撃吸収力が大きいため、転倒などのけがに対して相対的に安全である。 - 紫外線吸収機能
目に有害な紫外線を吸収し、赤外線を反射するため、目が疲れず、暖かい雰囲気を与える。
(2)物理的性能 木材は、総合的にみて優れた物理的特性を持つ
- 断熱性能
木材は熱伝導率が、鋼材の450分の1、コンクリートの13分の1、ガラスの8分の1であり、結露が少ない窓枠や調理器具の柄や取っ手、サウナ風呂の内装に使われている。 - 強度性能
スギ材を同じ重さの鉄と比較した場合、圧縮の強さは約2倍、引張の強さは約4倍もあり、逆に言えば、同じ圧縮の強さを支えるために、木材は半分程の軽さでよい。 - 耐火性能
表面が炭化すると内部までは燃焼しにくいため、一定以上の断面を持つ木材は火災にも耐えうる。また、鉄、アルミニウム、木材を同条件で加熱した場合、鉄、アルミニウムは3分から5分で強度が著しく低下し、変形するが、木材は15分たっても約60%の強度を維持する。 - 耐久性能
雨水への配慮、防腐処理等設計・施工面での適切な措置やメンテナンスなどを行えば、木造建築物の耐用年数は非木造建築物に比べても遜色はない。現に、築後100年以上経った木造住宅がたくさん残っていることや1300年前に建てられた法隆寺の柱は、今なお芳香を失わずに生き続けている。
(3)情緒性 木材は、情緒の安定をもたらす
- 刺激
色、感触、香など、どれを取っても刺激が少なく人にやさしい。 - フィトンチッド
フィトンチッドは、血圧の低下、脈拍の乱れやストレスホルモンの減少等に効果があるとされ、ストレスの多い現代社会において、木材と接することは情緒的安定を確保するうえで効果的である。また、外材に比べて、我が国の木材がフィトンチッドを多く含んでいるという研究成果がある。
以上(1)から(3)まで「岩手県木材利用推進方針」より
木材の価値を見直し、木材、木製品の利用促進を心がけていきましょう!
木づかい推進月間について
林野庁では、2005年から10月を「木づかい推進月間」としています。このとりくみは、人と環境に優しいという木材の特性や、地域の林業及び木材産業の活性化のみならず、地域の森林の多面的機能(水源かん養、国土保全、生物多様性保全、二酸化炭素吸収等)の発揮にも貢献するという木材利用の意義について、国民のみなさんに理解を深めて頂くことを目的としています。岩手県では、10月8日の「木の日」を中心としたイベント等のとりくみを行っていくこととしており、盛岡市もこうしたとりくみを積極的に支援してまいりますので、市民のみなさんも「木づかい」へのご協力をお願いいたします。
木の日とは
木材利用推進中央協議会と林野庁木材流通課が1977年(昭和52年)に提唱したもので、「十」と「八」を組み合わせると「木」になることから、10月8日を「木の日」と定めています。
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