景観重要建造物 旧盛岡貯蓄銀行
広報ID1009388 更新日 令和5年4月20日 印刷
盛岡市出身の工学博士、葛西萬司の主宰した葛西建築事務所により設計および監理された建物であり、1927年12月17日竣工。(1927年12月17日、19日付岩手日報による)
当時の記録によれば、施工関係者は次のとおりである。(株式会社盛岡貯蓄銀行本舘建築費内訳明細表による)
- 鉄筋コンクリート、建築工事:中沢三蔵
- 煉瓦工事:高瀬新太郎
- 造作工事:横溝豊吉
- 左官工事:川島金次郎
- 設備(暖房)工事:三機工業
- 塗装工事:中村八十吉
- 金物工事:山田信介
- 硝子工事:玲光社
- 石工事(花崗岩):中村嘉七
- 石工事(大理石):矢橋大理石
- その他
建物の主体構造は、鉄筋コンクリート造で、主要部は2階建、一部に中2階、中3階、の小室を有し、屋上階は鉄骨造で建物前面の重要な意匠を兼ねている。建坪は約540平方メートル延床面積は約1038平方メートルである。基礎は鉄筋コンクリートで、柱部分では地下約2メートル、柱間の外壁は煉瓦1.5から2枚積の外側に厚6センチメートルの花崗岩が貼られている等が1976年の改装時に確認されている。(1976年増改築設計図書─久慈一戸建設設計事務所による)なお、附属棟の外壁仕上げは、人造石洗い出しとなっている。屋根は陸屋根で、当時モルタル防水であったと思われる。
意匠的には外観に新古典様式の様相を呈しているが、全体として近代デザインの流れの中にある構成と考えることができる。すなわち、建物前面の列柱、軒蛇腹の装飾、その他古典的な意匠の装飾石彫で壁面を飾っているが、列柱の柱頭は古典様式にその類を見ない新しいものであり、また、建物全体を積み上げていくような構成は、20世紀初頭の近代建築の手法の影響が強いと考えられる。
さらに、内部の営業室の照明器具、柱頭の装飾などは竣工前年(1925年)パリで開催された装飾美術博覧会で一世を覆った、いわゆる25年様式の近代デザインの影響下にあると考えられる。2階各室のドアの色ガラスと柱および天井ボーダーの石膏レリーフ文様などの装飾にも同じ傾向が現れている。
暖房は、当初より、各室にスチームを設備しボイラー室を地下室として設けている。窓は三連の外開きのスチールサッシュであり、シャッター設備も施されていて、ほとんど現代のビル建築の形式を整えている。
概要
名称
旧盛岡貯蓄銀行(現盛岡信用金庫本店)
所有者
盛岡信用金庫
所在地
盛岡市中ノ橋通一丁目4番6号
構造形式
鉄筋コンクリート造3階建
建築年代
1927年12月17日竣工
面積延長
1038平方メートル(延床面積)
用途
銀行店舗
建築依頼主
盛岡貯蓄銀行
外観材質
花崗岩
設計者
葛西萬司
施工者
盛岡市中沢三蔵ほか
事業費
21万1566円17銭(建設当時)
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