景観重要建造物 茣蓙九

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広報ID1009392  更新日 令和5年4月11日 印刷 

茣蓙九(現森九商店)の外観写真
茣蓙九(現森九商店)

茣蓙九商店は紺屋町の東北電力社屋と三島医院との間にある。広い敷地に、店舗、住居、土蔵等、数棟が建っている。紺屋町の道路側に見えるのは店舗と住居であり、中津川側に見えるのは蔵と塀である。
紺屋町道路側の建物は景観上絶妙とも言える位置にある。すなわち、信用金庫前あたりから見ると道路はゆるく「くの字形」に屈折しており、茣蓙九の建物は、ちょうど「くの字」の屈折部に沿って、道路なりに屈曲して建っている。そのため、ある地点から見ると正面に建物が見え、建物は実際に相当の長さ(24メートル)であるが、見透しが右手の建物でさえぎられて、あたかも茣蓙九の建物がもっとずっと長く続いているかのように見えるのである。建物の屋根は低い軒先からゆるい勾配で奥行が深いので、広い面積にわたって暗褐色の瓦が見えており、壁面は大部分格子から成っていて、繊細な感じを与えている。建物は昔の2階建(2階部分が低く、住居用ではなく納戸のようになっている)で中2階の高さであり、これに一部本格的な2階建が続いているが、これらの建物の低い位置に黒い瓦葺の庇がついているために、いっそう建物が横長に感じられ、江戸から明治時代の古風な商家のたたずまいを伝えている。瓦と格子とガラス戸から成り、一部にタイルも使っているが、明治時代の落着いた色のもので建物になじんでいる。商店ながら現代風の看板を全く出していないのがよい。
中津川側からの景観は、ひとつは右岸(市役所裏)からの眺めであり、もうひとつは左岸の道路から近づいて見る場合である。前者の場合、中津川の清流の向うに石垣の護岸があり、その上に茣蓙九の瓦屋根と白壁の蔵と、それと一体となった土塀が見える。東北電力と岩手銀行社屋のビルにはさまれてはいるが、相当の長さ(約65メートル)をもち、いかにも城下町盛岡らしい景観となっている。後者の左岸の場合は中ノ橋を渡った方から来ると、まず岩手銀行本店(現中ノ橋支店)があり、左手の中津川上流方向には市役所庁舎、県民会館などの現代建築が並んでいるのが見える。道路に沿って来ると右側に茣蓙九の蔵と塀がゆるく屈曲して続き、間近に見る土蔵の重量感がせまってくる。中津川をはさんで現代の建築美と天保から明治の古典的建築美とのコントラストが見事である。
この街区には、歴史的建造物として指定されている建物として岩手銀行本店(現中ノ橋支店)と紺屋町番屋があり、これらのものと中津川と関連して茣蓙九商店の景観は市中心部において盛岡らしさを表すものとして貴重なものである。

概要

名称

茣蓙九(現森九商店)

所有者

個人

所在地

盛岡市紺屋町1番31号

構造形式

木造2階建

建築年代

江戸時代から明治年間

面積延長

404平方メートル(店舗付住宅1階)

用途

店舗、住宅、倉庫(土蔵)

建築依頼主

各代当主

外観材質

屋根瓦葺、壁漆喰塗、腰一部タイル

設計者

不詳

施工者

不詳

事業費

不詳

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