景観重要建造物 塩重商店

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広報ID1009403  更新日 令和5年4月13日 印刷 

塩重商店の外観写真
塩重商店

塩重商店の場所は、かつて高崩といわれたところで、藩政時代には上級武士の下屋敷、幕末になって家老の別荘があった。また、豪商の木津屋商店、糸治(糸屋治兵衛)の田屋(別荘)などもあった場所である。
建物は1933年と比較的新しい町家で、母屋は周辺で一際高さを持つ。基本的には盛岡町家の形態を継承し、その特徴を守っている。
間口が広いためロジ土間は常居の部分が玄関の役割になり、ここで常居から家に入り、奥には外部通路でつながっている。2階は道路側に床の間付10畳と前室8畳の2間取り、台所上部に6畳間と広縁で座敷上部には室をもうけていない。
この町家の特徴は、店、店上の2階の各天井を高くとったため、旧来の町家に比べ棟が高く全体的に大きな家となっている。そのため常居の吹抜けは異常に高くなり、神棚も一際大きい。さらに、桁まで貫を見せない漆喰壁が高さをより強調している。構造的には、店上2階床が通り側では胴指で受けているが、常居側は指鴨居上端より床が高いため、柱がない部分には半割の束をたてて床梁を受ける、構造的に折衷的になっている。一方、台所上の2階床は指鴨居の上に乗る伝統的方法である。また、外観は盛岡町家の基本形の雁木下家を持ち、その部分を内化した土間として使い、背の高い2階は、出格子に屋根の軒とは別に霧除け庇を付けることで町家としての意匠をつくっている。
岩手県立工業学校(現県立盛岡工業高校建築科)を1930年に卒業した鎌田与助の設計で近代木造工法的ではあるが、実際の建物は伝統工法に近いことから、伝統工法の大工棟梁との葛藤があったのではなかろうか。

概要

名称

塩重商店

所有者

個人

所在地

盛岡市茶畑二丁目12番8号

構造形式

木造2階建瓦葺

建築年代

1933年

面積延長

216.52平方メートル

用途

店舗兼住宅

建築依頼主

佐々木重太

外観材質

簓子下見板張、一部モルタル

設計者

鎌田与助

施工者

不詳

事業費

不詳

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