景観重要建造物 紺屋町番屋
広報ID1009389 更新日 令和5年3月13日 印刷
紺屋町番屋
歴史
1891年盛岡消防よ組番屋として現在地に建てられた建物を1913年消防組第四部事務所として改築されたものが現在の建物といわれる。現在の建物の棟札によれば、大工石倉久太郎、同山下熊太郎、屋根葺、小笠原長次郎、石工、岩野兵次郎、左官、工藤喜三郎、塗屋、山口平助とある。
建築年代は、棟札に「大正貳年七月中浣」とあり、同消防団の聴取りでは、「1913年5月3日起工上棟式(あげむね式)を13時より行なった。」とあり、これを採りたい。
建物は、木造2階建で、1階は元来消防器具の常置場が大半を占め、花崗岩の石畳となっているが、現在はその一部を上がり座敷に改造(1958年)し、街路二面に接する部分を消防車々庫としている。現在の車庫入口ではない面の道路側に吊引戸が残されており、改造前は、これが主入口であったことを物語っている。2階は畳敷の広間となっており、寄合の多い番屋の機能を示している。2階からは、回り階段で屋根裏を通って屋根上の望楼に登っていける構造となっている。
全体の構成は、当時の学校建築をはじめとする公共施設に見られる木造様風の形式に類するもので、洋小屋組寄棟屋根、南京下見ペンキ塗の外壁、六角形の望楼、外開きの2階窓などで、その様式を表現している。完成当日の模様を岩手日報紙は、「外観の美と相俟ち消防夫の作業上、頗る便利なるべし」と報じている。
外壁塗装色は、下見板部分が淡灰色で、建具と縁取りは肌色に塗り分けている。
建坪約87平方メートル、床面積約159平方メートル(当時)。
外観の復元と耐震改修工事
紺屋町番屋は平成27年3月に紺屋町番屋保存・活用委員会から寄付を受け、平成29年度に建物調査を実施した結果、地震による倒壊の危険性が指摘された。平成30年10月景観法に基づく景観重要建造物に指定し、長く良好な状態で維持させるため外観を維持したまま、耐震の改修工事を行うこととなり令和3年3月より着工し、同年11月に完成した。
利活用
市では寄付の趣旨を踏まえ、また、景観重要建造物であることから外観を保持しつつ、紺屋町界隈の活性化につなげることを基本とした用途とし、利活用を図ることとした。
持続可能な運営主体による維持管理形態を確立する必要があることから、民間事業者等の企画・提案を募集し、有効かつ適正な利活用が見込める事業者をプロポーザル方式により選定した。
選定された利活用事業者の「合同会社ほっぷステップ」により、紺屋町番屋は交流・体験施設として令和4年3月21日に開所式を行った。
概要
名称
紺屋町番屋
所有者
盛岡市
所在地
盛岡市紺屋町4番34号
構造形式
木造2階建望楼付
建築年代
1913年7月18日竣工(大正2年)
延べ面積
142.26平方メートル(改修後)
用途
消防屯所(当初)
体験交流施設(改修後)
建築依頼主
盛岡市消防組第四部(当初)
外観材質
当初:下見板張(外壁)、トタン平葺(屋根)
改修後:杉下見板張(外壁)、ガルバリウム鋼板葺(屋根)
設計者
不詳(当初)
施工者
石倉久太郎(大工)ほか(当初)
事業費
不詳(当初)
関連情報
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