所蔵品ギャラリー3(中世・近世)

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広報ID1009447  更新日 平成28年8月21日 印刷 

遺跡の学び館で所蔵している指定文化財や代表的な出土品を紹介(中世・近世編)

マスコットキャラクター「みっけ」のイラスト

遺跡の学び館で所蔵している指定文化財や、代表的な出土品を時代ごとに紹介します。

展示替えや貸出しのため、紹介するすべての資料を展示室で見ることができない場合がありますので、ご了承ください。

中世・近世(ちゅうせい・きんせい)

渥美 灰釉壷(あつみ かいゆうつぼ)

渥美 灰釉壷

岩手県指定有形文化財

遺跡:一本松経塚(いっぽんまつきょうづか)(繋)
年代:中世〔12世紀前半、奥州藤原氏期〕
個人蔵(寄託資料)

繋温泉神社裏手の湯ノ館山にある一本松経塚から出土した渥美窯(あつみよう)産の灰釉壷(かいゆうつぼ)です。灰釉とは、草木などの灰を使った釉薬をかける技法のことです。この壷は、口縁部が薄い玉縁となっており、なで肩、胴長の形をしています。黄白色の粘土を使い、全面に黄土色の灰釉がかかっています。
岩手県内の渥美窯製品は、平泉の奥州藤原氏との関連が考えられ、この壷も平泉を通じて東海地方の渥美からもたらされたと推定され、盛岡地域と平泉との繋がりを示す貴重な資料です。また、この壷はほぼ完全な形であり、緑色がかった黄土色の美しい灰釉が全面に施され、東北地方の渥美窯製品の中でも優れた製品といえます。

陶磁器(とうじき)

堰根遺跡出土常滑産片口鉢の写真

遺跡:堰根(せきね)遺跡(浅岸)
年代:中世〔12世紀、奥州藤原氏期〕

鎌倉幕府(かまくらばくふ)が成立する直前、平泉の奥州藤原氏(おうしゅうふじわらし)が東北地方を支配する中、盛岡にもその政権下にある領主の屋敷がつくられるようになります。

堰根遺跡出土陶磁器片の写真

この遺跡からの出土品は、平泉の柳之御所(やなぎのごしょ)遺跡から出土したものと同時期と考えられ、素焼きの「かわらけ」のほか、東海地方の常滑(とこなめ)産の鉢や甕・壺、また中国から輸入された白磁(はくじ)や青磁(せいじ)といった貴重な品々がみられます。〔写真上:常滑産片口鉢、写真下:陶磁器破片〕

経石(きょうせき)「多字一石経(たじいっせききょう)」

多字一石経石の写真

遺跡:宿田南(しゅくだみなみ)経塚〔北夕顔瀬町〕
年代:鎌倉時代中期〔13世紀〕以降

経石とは、仏教信仰に関係するもので、経文を墨で書き写した石のことです。主に「経塚(きょうづか)」という経典を納めた塚から発見されることが多く、小石1つに1字を書写した「一字一石経」と、扁平な石に数十文字を書写した「多字一石経」があります。
2006年と2007年に発掘調査を行った宿田南経塚では、塚を覆う多数の礫の中から186点の経石が発見され、中でも法華経や金剛経の書かれた「多字一石経」は、岩手県内初の出土例です。また、「大日如来(だいにちにょらい)」を表す梵字(文字1つで仏を表す古代インド文字)の書かれた経石が多く出土していることから、この経塚が大日如来に関する供養のために造立されたと考えられ、中世における東北地方の仏教信仰を知ることができる貴重な資料といえます。

軒丸・軒平瓦(のきまる・のきひらがわら)〔赤瓦(あかがわら)〕

盛岡城跡出土軒丸瓦・軒平瓦の写真

遺跡:盛岡城(もりおかじょう)跡(内丸、国指定史跡)
年代:江戸時代〔17世紀〕

江戸時代を通じて盛岡藩主南部氏の居城であった盛岡城の本丸石垣修理に伴う調査で出土した赤瓦(あかがわら)です。当時の絵図面にも、本丸天守櫓(てんしゅやぐら)と隅櫓(すみやぐら)の屋根が赤く彩色されています。この瓦は、瀬戸瓦(せいとがわら)とも呼ばれるように、釉薬(ゆうやく=うわぐすり)を施して焼かれていて、寒さにも強かったと考えられます。軒丸瓦(のきまるがわら)には、南部氏の家紋「向鶴(むかいづる)」がみられます。
 

常滑焼大甕(とこなめやきおおがめ)〔甕棺(かめかん)〕

南部重直墓所出土常滑焼大甕の写真

盛岡市指定有形文化財

遺跡:南部重直(なんぶしげなお)墓所(北山、聖寿禅寺)
年代:江戸時代〔17世紀〕

1664年(寛文4年)に死去した、第3代盛岡藩主南部重直(なんぶしげなお)の遺骨が納められていた甕棺(かめかん)です。甕の中には、火葬された遺骨と、慶長小判(けいちょうこばん)・寛永通寳(かんえいつうほう)などが副葬され、周囲には火葬時に共に焼いたと考えられる調度品の金具と炭が多量に敷かれていました。年代の明確にわかる常滑焼大甕(とこなめやきおおがめ)は大変貴重であるとともに、大名家(だいみょうけ)墓所の発掘調査での小判出土は、ここを含め全国でも2例しかありません。

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