第16回:細越夏村(ほそごえかそん)

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広報ID1009543  更新日 平成30年12月10日 印刷 

細越夏村(1884年~1929年)

明治詩壇を支えた人

細越夏村(ほそごえかそん)の写真

細越夏村(本名:省一)は1884年(明治17年)5月25日、盛岡内加賀野(現:盛岡市上ノ橋町)にて金融業を営んでいた細越和吉、みよの長男として生まれた。岩手県尋常師範学校附属小学校をへて、1896年(明治29年)に盛岡中学校(現:盛岡第一高等学校)へ進学している。在学中の同級生には金田一京助や及川古志郎が、2年後輩には石川啄木がいた。
中学校在学中、既にその文才を称えられていた夏村は与謝野鉄幹、晶子夫妻の主宰する「明星」へ投稿、このころに啄木を与謝野夫妻に紹介している。やがて相馬御風(そうまぎょふう)、前田林外らの「白百合」へと創作活動の場を移し、多くの詩を発表しつつ1905年(明治38年)11月には編集主任を務めた。翌年の2月に処女詩集『霊笛(れいてき)』を東京で出版、後に『迷へる巡禮の詩集』など5冊の詩集を出版している。
夏村の詩は耽美的、抒情的と言われており、後の自然主義とは相容れることができず、挫折を味わうこととなる。1913年(大正2年)には盛岡に帰省し、後に父の事業を継承したため、中央詩壇とはさらに距離をおくこととなるが、晩年までその創作は続けられた。
明治から昭和にかけて活躍した詩人河井酔茗(かわいすいめい)は、夏村の詩について“今、読み返してみるに現行の詩集と並べてみても遜色なく、一篇として力の籠っていない作はない。”と評価している。

掲載日:平成17年5月25日

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