葺手町(ふくでちょう)

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広報ID1009434  更新日 平成28年8月21日 印刷 

葺手町(ふくでちょう)

町名は、屋根葺職人が住む町であったことに由来。初め屋根葺町と呼ばれたが、明暦元年(1655年)に葺手町と改められた。その後、葛(くず)右衛門町や吹手町とも呼ばれた。葛右衛門とは藩の屋根葺棟梁で、盛岡では茅葺き屋根を葛屋根と呼んだ。なお、藩が町家に初めて瓦葺を許可したのは、寛保元年(1741年)であった。葺手町の東裏は外堀が通り、堀の向かいには藩庁の走り使いをする小者の住む小人町(こびとちょう)があった。

葺手町と紺屋町との間に斗米山(とっこべやま)という大石があり、古くはこの辺りを斗米といった。紺屋町から当町へ出る横町を愛染(あいぜん)横町と称した。町人や牛馬曳きは現岩手銀行中ノ橋支店前にあった高札場「札(ふだ)の辻(つじ)」を敬遠してここを通ったという。

愛染横町は、地内に愛染明王像を有する宝林山愛染院に由来する名前で、明王像は後に愛染院が廃寺となってから斗米山(とまいさん)長福院に移された。古謡に「斗米寅子(とっこべとらこ)に、馬場松子(ばばまつこ)、石間亀子(いしあいかめこ)に騙されな」と詠われ、宮沢賢治作品『とっこべとら子』の舞台になっている。

中ノ橋通一丁目4番地付近

昭和54年(1979年)の写真
昭和54年(1979年)
平成21年(2009年)の写真
平成21年(2009年)

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